兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

健康情報テレホンサービス

2007年10月

【火曜】 歯周病と歯石、プラーク(歯垢)の関係

昨今、テレビで「プラークコントロール」とか、「歯石」「予防」等といった、歯周病に関連した歯ブラシや歯磨き粉のコマーシャルをよく目にしますが、皆さんはどう感じておられますか?歯周病とは、歯の周りの部分に起こる疾患の総称を言います。この歯周病が進行すると、ご自身の大切な歯を早期に失うことになりかねません。今回は、歯周病と歯石、プラークの関係についてお話しします。

歯周病を発症させる原因の約6割はプラークであることがはっきりしています。このプラークとは、口の中に常に存在する細菌とそれが生み出す柔らかい沈着物が歯の表面についたものを言います。1㎎中約一千万個分の細菌が含まれていて、病原性がたいへん強いものです。プラーク自体は歯ブラシで取れますが、毎日のブラッシングが不十分であると、口の中に長時間滞在して“バイオフィルム”という細菌のかたまり群となり、歯周病や虫歯の感染症を引き起こす因子となります。このバイオフィルムはもう歯ブラシでは取れません。歯科医院での専門的な除去法が必要になります。

 次に歯石ですが、プラークとの関係は“親と子ども”といった関係であると思ってください。プラークは毒性が強いネバネバした細菌群で、子どものように活発に活動しています。しかし時間が経つとプラーク内にカルシウムやリンを沈着させるようになり、徐々にプラーク自身が石灰化して硬くなっていきます。これを「歯石」と呼びます。

 最近の研究では、歯石そのものが歯のまわりの炎症の原因にならないことがわかってきました。原因となるの一つ目は、歯の表面が凸凹なため病原性の高いプラークの沈着を容易にさせていること、二つ目は歯の表面に強く接着していることから、ブラッシングのみでは取り除くことができないことです。歯石を取らずに放置すると歯周病が進行し、歯をなくすことにつながります。歯石は歯科医院で取り除いてもらいましょう。毎日のブラッシングのチェックも定期的に受けることをおすすめします。

2022年 2022年 2021年 2020年 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年 2007年 2006年 2005年
※健康情報テレホンサービス内検索です。