兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2008年1月

【月曜】 絵本と子どもの心の成長

 最近、幼児の心の発達に関して、育児でのテレビや絵本の利用方法が大きな話題になっています。多くのお母さんは、この議論に巻き込まれ迷っています。
 長時間テレビを見続ける有害性が指摘され、絵本の活用が勧められています。確かにテレビは早朝から深夜まで放送を続け、時にはBGMのように、見るわけでもないのに付けっぱなしの家庭もみられます。またテレビゲームやビデオ、DVDの普及により、ますますテレビ全盛の時代になってきました。しかしテレビは内容の向上や、双方向性の普及をめざしているので、以前のように一方向だけのものではなく、単純に幼児に適さないと断定できなくなってきました。
 問題は、幼児期、1歳~3歳までの子どもにとっての親との十分なコミュニケーションが必要な時期に、子どもに合ったテレビ番組・DVD・絵本を使ってどのように育児をするかです。ただ単に絵本を読んであげるというのではテレビと変わりません。
 子どもが15カ月になると、知っているものが絵本に登場すると分かるようになってきます。例えば「ワンちゃん」「ネコちゃん」「ポスト」など、知っているものが出てくると、指で指摘できるようになります。もう少し大きくなると、「赤いポスト」「青いポスト」など区別ができるようになり、お母さんやお父さんとのコミュニケーションの重要な手段になります。もし子どもに発達障害があるときには、絵本を通じてのコミュニケーションで早期に見つけることができ、迅速な対応、訓練ができます。
 子どもが幼稚園に入れば、多くの子どもがネットで検索を始め、情報を自分で見つけ出すような時代になりました。絵本、テレビ、ネットの功罪を語る時代から、子どもの心の成長に合ったものを作り、選び、お母さんが上手く使いこなすことが求められる時代になりました。出版物も電子化され、音声も出るようになり、絵本の絵も動くようになってきました。絵本やテレビを見せるだけでなく、積極的に番組、内容を選び、常にいっしょに見て、話し合い、心が通じ合うような使い方を考えましょう。

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