兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2008年4月

【木曜】 大腸の病気と生活習慣

大腸の病気は生活習慣と関わりが深いものです。たとえば、ストレスが多く運動不足、アルコールの飲み過ぎ、油分の多い肉類中心の食生活を続けると、たちまち下痢や便秘などの便通異常をきたすことがあります。このような大腸の悲鳴に耳を貸さず、食生活が乱れ、不規則な生活を続けると、糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病を併発してしまいます。

 便秘がちで消化不良を起こしているときは、おならの臭いが強く、便が腐敗して大腸に残っていることがあります。食生活を見直し、便通を良くし、体内の毒素を外に出して、腸を清くすることで免疫力が向上し、病気にかかりにくい体質に改善できることも期待できます。「腐敗便は万病のもと」ということです。

 生活習慣に関与する大腸の病気で多いものは、大腸癌、過敏性腸症候群、虚血性腸炎などがあります。大腸癌を発症する要因のひとつには食生活があります。動物性の高脂肪、高たんぱくにかたよった食事、繊維食の不足といった偏りは、大腸癌の発症を増やすことになります。ここでは、大腸癌と過敏性腸症候群についてお話しします。

大腸癌は早期発見できる病気です。症状は進行しないと出現しません。便の潜血を調べる検査で定期的にチェックし、陽性と言われたら精密検査を受けましょう。そうでなくても、40歳を過ぎれば一度は大腸検査を受けることをおすすめします。わが国のがん死亡の中では大腸癌が増えてきており、毎年約5万人近くの発生が報告されています。

過敏性腸症候群は、精神的ストレスなどの刺激に対して腸が過敏な状態になり、便秘や下痢といった便通異常を起こす病気です。仕事や人間関係の悩みが多い現代社会ではよく見かけるものです。体重の減少や貧血等の所見が見られないのが特徴で、治療にはよく反応するのでかかりつけの医師に相談しましょう。

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