兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2008年9月

【木曜】 女性の尿もれ(尿失禁)

 尿もれは尿失禁と呼び、女性に多くみられる尿失禁には、いくつかの種類があります。

 1つ目は、咳やくしゃみなど、おなかに力が入るときに尿が漏れる「腹圧性尿失禁」、2つ目は、尿をしたい時に我慢できずに漏れる「切迫性尿失禁」、3つ目は、痴呆や寝たきり状態でトイレに行って排尿することができずに尿が漏れる「機能性尿失禁」があります。

1つ目の「腹圧性尿失禁」は、膀胱や尿道を支える筋肉が緩むことによって起こります。40歳以上の、特にお産を経験した方に多く、軽症では、膀胱や尿道を支える筋肉を強化する体操が有効です。また、お薬も効果があります。ひどい場合は手術が必要です。

 2つ目の「切迫性尿失禁」は、尿を我慢できない状態でおこり、膀胱が勝手に収縮するのが原因です。脳卒中や脊髄の病気でみられますが、健康な方でも70歳以上では3割程度にみられます。治療は収縮を抑える薬物療法が有効です。また、この尿失禁は、1つ目の腹圧性尿失禁を伴っていることがよくあります。

 3つ目の「機能性尿失禁」は、高齢化社会では大きな問題となっています。以前はオムツをつけるしか考えられませんでしたが、現在は様々な方法で「オムツはずし」に取り組んでいます。治療には排尿を促し、介助したり、薬物を併用することで半数以上の方で「オムツはずし」が可能です。

尿もれは本人だけでなく、介護者にも様々な影響を与える重大な問題ですが、見過ごされることも稀ではありません。しかし適切な診断と治療によって、ほとんどが治る可能性のある病気です。早めにかかりつけの医師や泌尿器科医の診察を受けられることをおすすめします。

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