兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2008年9月

【水曜】 脂肪肝-あなどらないで!

脂肪肝とは、食べ過ぎなどによる過剰なカロリーが脂肪としてたまった状態のことです。いわば、肝臓がフォアグラ状態になってしまっているのです。肥満、食べ過ぎ、アルコールの飲み過ぎが主な原因で、成人の4人に1人が脂肪肝とも言われています。飽食の現代において国民病ともいえる病気です。

自覚症状は、ほとんどないか、軽度の体のだるさ程度です。そのために、健康診断の血液検査や超音波検査で偶然見つかる場合がほとんどです。血液検査では、肝臓の状態を表わす検査値つまり「肝機能値」(GOT(AST)、GTP(ALT)、ALP、γGTPなど)が上昇します。超音波検査では、ギラギラとした特徴的な肝臓が映し出されます。

脂肪肝の何が悪いのでしょうか?理由は大きく2つあります。1つは、高脂血症、糖尿病、肥満、アルコールの飲み過ぎなど成人病、今で言うところのメタボリック症候群の原因となる生活習慣が脂肪肝の背景に隠れているからです。もう1点は、脂肪肝を放っておくと肝硬変まで進み、命に関わることがあるという点です。

治療は、脂肪肝の原因毎に異なります。アルコールが原因の脂肪肝の場合は禁酒が大原則です。お酒の好きな方は辛いかもしれませんが、禁酒をつづければ2-3カ月で肝機能値が正常にもどってきます。食べ過ぎ、肥満が原因の場合は、適度な運動、食生活の改善が中心となります。ただし、過剰なダイエット、減量はかえって脂肪肝を引き起こすことがありますのでご注意ください。適度な運動とは、息が切れるような激しい運動ではなく、ウォーキング程度の早足で1日40分から60分程度の運動です。歩数にして、1日約8000歩から1万歩が目標です。

脂肪肝の多くは、適度な運動、食生活の改善にて良くなる病気です。しかし、アルコールが原因の脂肪肝は、禁酒や適度な飲酒量へ減量しない限りは、肝硬変につながる可能性もありますので要注意です。また、最近アルコールが原因でない脂肪肝でも、一部にアルコール性脂肪肝と同じように、肝硬変まで進行することがあると分かってきました。

たかが脂肪肝とあなどらず、肝機能値の異常を指摘されたら、内科や消化器科の診察を受け相談されることをおすすめいたします。

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