兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2008年12月

【月曜】 副鼻腔炎

 私たちが息を吸うとき、空気は鼻中隔(びちゅうかく)という軟骨の壁で仕切られた左右の鼻腔を通って肺に送られますが、そこには左右対称に副鼻腔(ふくびくう)という空洞があります。カゼにかかると、くしゃみ、鼻水、鼻づまりが起こりますが、これはその空洞の粘膜が炎症を起こしたために、腫れたり、膿が溜まったりするからです。これを副鼻腔炎と呼びます。

副鼻腔は4つの空洞に分かれています。上から、額のところにある前頭洞(ぜんとうどう)、目と目の間にある篩骨洞(しこつどう)、頬にある上顎洞(じょうがくどう)、そして鼻の奥にある蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)、この4つに分かれて鼻に通じています。

 ここに化膿菌が感染したのが急性副鼻腔炎です。鼻汁は黄緑色になり、鼻に溜まるために鼻づまりを起こし、ノドにまわると痰(タン)になります。子どもでは、この痰が咳(セキ)の原因になることがあります。さらに膿が溜まったために頭痛や頭重感も伴います。

免疫力が低下していたり、栄養状態が悪く、さらに鼻中隔(びちゅうかく)が曲がっている人が、急性期に治療しないで放置していると、次第に治りにくくなって慢性化していきます。また、炎症を繰り返していると、空洞の中の粘膜が次第に分厚くなって、ポリープ状に膨らんで「鼻たけ」ができることがあります。

 どの空洞に病変があるかは、鼻の中を内視鏡でみると大体見当がつきますが、さらにレントゲン検査で病変の部位と進み具合を確定できます。また、レントゲン検査は治療の効果判定にも有用です。治療薬には、細菌を殺すための抗菌剤、炎症を抑えるための消炎症剤、分泌物の排泄を促進するための粘液溶解剤、さらには漢方薬や抗アレルギー剤も処方されるようになりました。副鼻腔炎は治っても、カゼをひくと再発しますから、風邪をひいた時は早めに、鼻や喉の診察を受けてください。

治療と合わせて、まだ鼻をかむことができない小さいお子さんには、鼻の入り口の鼻汁(はなみず)をスポイトか市販のストローで少しずつ吸ってあげてください。それでもゼロゼロがとれないときは、病院で細い吸引管で吸い取ってもらってください。鼻のかめるお子さんでは、鼻を強くかませないことが大切です。それは鼻の粘膜が腫れて鼻汁が出にくくなるからです。片方ずつ、ゆっくりと、力を入れないでかませてください。

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