兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2008年12月

【年末年始】お酒と肝臓

年来年始の時期はついついお酒の量が増えます。過度の飲酒はからだにとってとても負担になります。

お酒を楽しむためにも、アルコールと私たちのからだの関係について考えてみましょう。

アルコールは胃や腸で吸収されたあと、肝臓に運ばれて、「アセトアルデヒド」という有害物質に分解されます。最終的に二酸化炭素と水になって排泄されます。

この時活躍するアルコール脱水素酵素を多くからだに持っているかどうかは、ほとんど遺伝的に決まっています。つまり、飲むことを鍛えようとしても、お酒に強くなれるわけではありません。

短時間に多量のアルコールを飲むと、肝臓での処理が間に合わず、血中のアセトアルデヒド濃度が上昇して、顔が赤くなり動悸や頭痛、吐き気を起こします。さらに肝臓の処理能力を超えると、翌日になっても頭痛や吐き気、めまい、食欲不振、不快感などが残ります。これが二日酔いです。また、体調が悪かったり、たくさん飲む日が続くと、肝臓が疲れ、慢性的にアルコール処理能力が低下します。

アルコール代謝は肝臓の仕事です。お酒を飲んでいる最中、肝臓は必死に働いています。肝臓がアルコールを分解できる能力は、日本酒なら1時間でたったの0.3合。飲みすぎの習慣は肝臓に障害をもたらします。

さらに飲み続けますと、脂肪肝になります。脂肪肝とは、肝細胞内に中性脂肪が溜まることをいいます。アルコールによって脂肪の分解が抑えられ、同時に脂肪合成が促進されることが原因です。これが進行すると、アルコール性肝炎や肝硬変を引き起こします。肝炎とは、肝細胞が破壊されることをいい、肝硬変とは、肝細胞が繊維化して肝臓が硬くなることを指します。そのほか、胃潰瘍、糖尿病、不整脈、高血圧などが起こりやすくなります。

百薬の長であるお酒の飲みすぎによるアルコール処理で疲れた肝臓には、充分な栄養と休養が必要です。少なくとも週に一度は「休肝日」が必要です。いくら肝臓が丈夫といっても、自ら壊すことはありません。

飲みすぎの方は、早期受診とかかりつけ医への相談をおすすめします。

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