兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2009年1月

【木曜】 いびきは病気?-睡眠時無呼吸症候群との関係-

 一般にいびきは、鼻、のどなどの空気の通り道が狭く、息を吸うときに努力する、即ち無理やり空気を肺へ押し込もうとするとき発生する、のどからの摩擦音や狭窄音です。震源地は咽喉(ノド)チンコや舌の付け根、扁桃腺などです。努力している限りは肺へ空気が行きますが、努力をすればするほど、息を強くすえば吸うほど、のどは更に狭くなり、いびきの音は大きくなります。最後には窒息状態になります。これが「睡眠時無呼吸」です。無呼吸の後に、目が覚めて、自分で自分の首を絞めるのをやめて、狭くなった咽喉を広くし、大きく大きく息を吸い呼吸を再開します。この際、大量の空気がのどや肺へなだれ込み大きないびきの音が発生します。「呼吸再開のいびき」です。これが睡眠時無呼吸症候群の典型的ないびきです。
 睡眠は身体のコンディションに関係します。たとえば、深酒をしたり、眠たくなるような薬を飲んだり、疲れが影響して、いびきをかく方はいるでしょう。でも飲んでも飲まなくても、疲れていてもいなくても、つねにいびきをかく方や、いびきといびきの間に息が止まってしまう方は要注意です。寝ている間もいびきをかいて、息を吸うための努力をすること自体が異常と言えます。
 息が止まらなくても、また検査で無呼吸があまりなくても、狭い気道でいびきをかいて努力するために睡眠が浅くなり、日中眠くなる人もいます。
 いびき、さらには睡眠時無呼吸症候群の治療の目標は、努力せずに夜間呼吸をすることです。いびきはそれが無呼吸を伴っても伴わなくても、日中の眠気を誘い、心臓や血管への負担となります。それでいびきは早死にの元と言われるのです。
 検査には、1晩入院して無呼吸の頻度や努力も測定するものや、自宅で行える無呼吸の発生回数のみを調べるものなどがあります。
 治療には、手術や、夜間装着してのどを拡げるマウスピース、夜間に鼻からマスクを介して圧を送ってのどを拡げるCPAP(シーパップ)治療の3つがあり、単独もしくはそれぞれを併用して治療します。それぞれに長所と短所があり、生活環境や社会環境を考慮して、検査結果などから治療法を選択します。
 人生の三分の一は睡眠ですから、一人で悩まず、かかりつけ医を受診し相談してください。

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