兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2009年2月

【水曜】 ウンチのお話

 皆さん、いいウンチ出ていますか?快食、快便は健康のバロメーターです。
 まず最初に、赤ちゃんのウンチについてお話します。お母さん、赤ちゃんのウンチに気をつけていますか? 便の色をちゃんと見ていますか?汚いから見るのも嫌だと言うあなた。明日の朝からは便の形、色に注意しましょう。乳児の場合、黄色、茶色、緑色は正常です。便全体に血液が混ざっている場合は、細菌性腸炎、腸重積、消化管出血などがあり、早く病院へ診察に行ったほうがいいです。白っぽい便も異常です。小児科の先生にすぐ相談してください。乳児期から便が出にくく、お腹が膨らんでくる先天的な大腸の病気もあります。赤ちゃんに一番身近な主治医としてのお母さん、頑張ってください。
 次に、大人の便についてお話します。肉食や脂肪の多い食事では便秘気味になりやすく、においもきつくなります。一方、植物繊維が多ければ、腸の動きが活発化して排便はスムーズになり、においは少なくなります。
 腸の中にはたくさんの細菌がいます。良い菌の代表はビフィズス菌で、悪い菌はウエルシュ菌と言われています。植物繊維は悪い菌が増えるのを抑え、有害物質を便とともに排泄し、腸の中をきれいに掃除してくれます。お肉を食べる時は野菜も充分にとりましょう。
 最近、便通が悪く便秘と下痢を繰り返す方や、時々ねばりのあるドロッとした血液が出る方は、大腸癌の検査を受けて、大腸カメラで腸の中を診てもらってください。便に血が混ざっているかを調べる便潜血検査だけでは安心できません。
 癌以外に、腸の粘膜が荒れる潰瘍性大腸炎やポリープ、腸にできた小さい袋である「憩室(けいしつ)」から出血することもあります。海外旅行先でのアメーバ感染によって、「粘膜びらん」つまりただれや、「内痔核」からの出血が便につくこともあります。
 便に血液が混じるときは、まず消化器内科や外科、肛門科の医師に診てもらってください。便に血液は混じらないが、下痢や便秘など、便通異常を伴う腹痛やお腹の不快感がずっと続くという人は「過敏性腸症候群」の可能性があります。
 不眠症や心療内科で扱う疾患との合併も多いようです。この疾患は、一般的な検査では異常は認められませんが、症状が進むと日常生活に悪影響を及ぼします。ストレスの多い現代社会において、深刻な問題になりつつあります。精神面も含めた治療が必要です。
 以上、赤ちゃんと大人の便のお話をしてきました。皆さん、バランスの良い食事を摂って、良い人生をお過ごしください。

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