兵庫県保険医協会

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2009年3月

【木曜】 頑固な便秘症

 便秘とは、排便が順調に行われない状態をいいます。多くの人は1日から2日に1回くらいの排便があります。また人によっては、1日に2回くらい排便があります。3日から4日排便がないときは、便秘と呼んでもいいと思います。日本内科学会の定義では、「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」、すなわち便が残った感じがある状態となっています。排便がなく苦痛を伴い治療の対象となることを「便秘症」と呼んでいます。
 便秘症の原因としては、腸に障害が起きていて腸管が狭くなっている場合と、腸管の機能低下または機能異常による場合の、大きく2つに分けられますが、しかし原因は様々です。
治療方法としては、食事療法、精神療法、薬物療法、日常生活の改善などが考えられます。最も大切なのは、規則正しい排便の習慣をつけることです。
 便意は、大腸の終わりの方にある結腸という部分の運動によって起こり、特に朝食後に起こりやすいものです。ですから僅かな便意でも、ゆっくりと精神的余裕をもって排便を心がけることが大切です。また、1回に食べる量が少ないと、大腸の終わりの部分である結腸の運動も弱くなります。さらに、繊維成分の多く含まれた食べ物を摂ることも大切です。
 便秘の薬物療法に関しては、便秘症は先ほどお話したようにいろいろな原因で起こります。どのタイプの便秘症なのか区別することは難しく、実際には何種類かの薬を使用してみて、自分に適した薬を見つけることが大切なのです。
 しかし、食事療法、精神療法、日常生活の改善に努力すれば、薬の必要がなくなることも期待できます。今までは1日一度必ず排便があったのに、最近どうも便がスムーズに出ないといった症状の方は、大腸がんなど悪性腫瘍のために便秘になる場合もありますので、自分勝手に便秘薬などを飲まずに、まず医師に相談されることをおすすめします。

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