兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

健康情報テレホンサービス

2009年7月

【木曜】 激しい腰の痛み-尿路結石について

 突然腰に激しい痛みが走り、下腹部にも伝わってくる。時には吐き気や発熱を伴うこともあります。たいていは左か右の片方に起こることが多いのですが、稀に両方に起こることもあります。
こんな場合は、尿路結石も念頭に置いて泌尿器科を受診してください。
 尿は、左右の腰あたりにある腎臓で作られ、尿管という細い左右の管の中を通って、おヘソの下にある膀胱に溜まって、ある程度溜まると尿意を感じて、尿道を通って体の外に排泄されます。
 結石はまず腎臓で作られ、それが尿管に落ちてきて尿管を塞ぎ、腎臓の中のじんう腎盂という部分に圧力がかかって腫れてきます。この状態のことを「水腎症」と呼びますが、激しい痛みが起こる原因です。時には、細菌も入ってきて「腎盂じんえん腎炎」という状態になり、高い熱が出ます。
 このような状態を放置しておくと、腎臓の働きが落ちてくることも考えられます。たいていの場合は血尿も伴っています。
 診断は、主にレントゲン写真を撮って、石の大きさや位置を見ます。石の成分によっては、例えば尿酸結石のように写らない場合もあります。また超音波検査で、腎臓の腫れ具合を調べます。
 石を取り除くには、大きさや位置によっては自然排石、つまり自然に落ちてくること、尿といっしょに出ることを待つ場合も多いのですが、大きな結石で自然排石が期待できない場合や、腎臓の腫れがひどい場合、両方に結石があり両方の腎臓が腫れている場合は、積極的な治療が必要です。
 以前は切開手術をしていましたが、現在は衝撃波を発生させる機械で身体の外から結石に当てて砕いてしまう方法等もあり、痛みも軽く短期間の入院で済みますので、泌尿器科専門医に病院を紹介してもらいましょう。
 結石の予防としては、まずカロリーの摂り過ぎを避けて、バランスの良い食事を心がけましょう。尿が濃くなる状態で石はできやすくなりますから、水分を充分補給しましょう。夕食を食べてすぐ寝る習慣のある人は、2時間以上間隔を開けることも大切です。
 お薬で再発予防や治療が可能な結石もありますので、泌尿器科専門医にご相談ください。

2022年 2022年 2021年 2020年 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年 2007年 2006年 2005年
※健康情報テレホンサービス内検索です。