兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2009年11月

【金土日】認知症は予防できるか

 認知症を確実に予防する方法は、現在のところありません。しかし、認知症になりにくいように心がけることがいくつか知られています。今日は8つのことをお話しましょう。
 第1は、身体も使わないとなまってしまいますが、頭も同じです。頭を使うことが認知症になる危険を小さくすることが知られています。例えば、読書、日記や家計簿をつける習慣、トランプ、囲碁、将棋などの趣味は、認知症の危険を小さくすると言われています。今流行の『脳トレ』も役に立ってくれるでしょう。
 第2は、運動することは脳の血液の循環を良くするものです。ウォーキング、ジョギング、ストレッチ、ダンス、水泳などの運動の習慣は、認知症の予防に役立ちます。ただし、過激な運動で怪我をしては元も子もありませんから、無理のないように気をつけましょう。
 第3は、病気や怪我で寝込むと認知症の危険が増大しますが、寝込まない病気、生活習慣病にも注意が必要です。高血圧、脂質異常症、糖尿病、そして肥満は認知症になる危険を大きくします。中でも高血圧の治療は早く始めることが認知症予防につながると言われています。
 第4は、生活習慣病を予防する食生活を心がけることも認知症予防につながります。肉食は控えめに、魚を多くとり、塩分控えめの和食がおすすめです。ビタミンEやビタミンC、βカロチンなども認知症の危険を小さくすると言われています。
 第5は、お酒について。「酒は百薬の長」と言いますので適度な飲酒は良いのですが、飲み過ぎは要注意です。
 第6は、煙草について。これは認知症の危険を増すものです。節煙ではなく禁煙をお勧めします。  第7は、くよくよし過ぎることのないようにすることも大切です。趣味や楽しみを持って若い気持ちで暮らす。楽しみだけでなく、役割意識を持って人の役に立つことを続けることも健康を保つ秘訣です。  最後に、身体の病気と同じで、認知症も早期発見・早期治療が大切です。将来の明るい見通しはあります。認知症かなと気になる時は、早めにかかりつけの先生に相談し、物忘れ外来や脳ドックなど、専門外来を紹介してもらうと良いでしょう。

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