兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2010年1月

【月曜】 喘息と吸入ステロイド薬

 喘息は、実にありふれた病気です。わが国では、100人の人がいれば、少なくともそのうちの3人くらいは喘息持ちと言われています。また、喘息は慢性の病気です。つまり、治すというよりは、うまく付き合っていくべきもので、その意味では高血圧や糖尿病などに近い病気です。そして、高血圧と付き合っていくには血圧を下げる薬、糖尿病と付き合っていくには血糖値を下げる薬やインスリンが必要であるように、喘息とうまく付き合っていくためのお薬が吸入ステロイド薬です。
 ステロイドというと、副作用の強い恐ろしい薬という印象を持たれる方もおられるでしょう。しかし、ステロイドを長期に飲んだり注射したりすると、確かにさまざまな深刻な副作用がありますが、吸入で用いた場合には、肺だけに働きかけて全身には影響がないことがわかっています。喘息は肺や気管支に限定された病気ですから、喘息の治療薬は肺や気管支のみに作用することが望ましいと考えられています。このような理由から、吸入ステロイド薬は理想的な喘息治療薬であると、 多くの専門家が認めているのです。
 吸入ステロイド薬は、決められた量を定期的に使用することが大切です。症状がひどい時だけ使用するという、いわば「屯服」のような使用方法では、十分な効果は得られません。また、吸入ステロイド薬の種類によってさまざまな吸入器が考案されています。それぞれの吸入器にあった正しい方法で吸入することも非常に重要です。吸入薬の種類や吸入方法の詳細については、かかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。
 それから、「咳喘息」といって、息苦しさはないのに咳だけが続いている喘息も珍しくありません。8週間以上続く慢性の咳に限れば、その約半数が咳喘息であるとも言われています。この場合には、患者さんはご自身が喘息であると気付かれないことも多く、風邪薬や咳止めを延々と飲み続けていたりします。咳がしつこく続く時にも、ぜひ一度医師にご相談ください。吸入ステロイド薬の使用で、ウソのように止まってしまうこともありますよ。

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