兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2010年3月

【水曜】 ロコモティブ・シンドロームって何?

 骨、関節、筋肉など身体を動かす仕組みを「運動器」といいます。
 運動器である足腰の働きが衰えたら、暮らしの中での自立度が低下します。運動器の障害により、要介護になる危険性の高い状態を「ロコモティブ・シンドローム」と呼び、「ロコモ」と略称されています。
 中高年以降になって歩けなくなると、介護が必要になり、将来寝たきりになる可能性が高くなります。元気で立ち上がり、歩けることは、自分のため家族のため、そして社会のためにも必要です。
 平均寿命が80年を超えた長寿時代には、運動器を上手に鍛えて使い続けていくことが大切です。高齢だからと諦めずに、いつまでも自分の足で元気に歩くことができるように努めなければなりません。
 ロコモを自分でチェックしてみましょう。つぎの5つのチェックをしてください。
1つは、片脚立ちで靴下が履けないかどうか。
2つは、家の中で躓いたり滑ったりしないか。
3つは、階段を昇るのに手すりが必要かどうか。
4つは、横断歩道を青信号で渡りきれるかどうか。
5つは、15分くらい続けて歩けるかどうか。
 このうちの1項目でも当てはまれば、あなたはロコモになっていると考えられます。
 ロコモの予防体操、略して「ロコトレ」をしましょう。運動器は他の臓器に比べて普段から自分で鍛えやすいので、自分にあった安全な方法でできるトレーニングとして、「片脚立ち」と「スクワット」のやり方をお話しましょう。
 片脚立ちでは、目を開けたままで、片脚を床に着かない程度にあげてください。こけないように、必ずつかまるものがある場所でやりましょう。左右1分間ずつ、1日3回行いましょう。支えが必要な方は、机に両手をついておこなってください。
 スクワットでは、椅子からの立ち上がりをゆっくり行います。次に、まっすぐ立った状態から、椅子に腰掛けるように、お尻をゆっくり下ろしていきます。椅子にお尻が着く直前で1-2秒停止し、そこからまた立ち上がります。深呼吸をするペースで5-6回繰り返します。これを1日3回行いましょう。これも支えが必要な方は机に手をついても構いません。スクワットができなければ、机に手をついて、腰を椅子から浮かす動作だけでも結構です。
 治療中の病気があったり、体調に不安があるときは、まず医師に相談してから始めましょう。無理をせずに自分のペースでおこなってください。
 なお、痛みを感じた場合は運動を中止し、医師に相談してください。

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