兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2010年5月

【水曜】 神経内科をご存じですか

 神経内科は一般的にはあまり知られていない診療科です。患者さんから精神科や神経科、心療内科などと混同されることが少なくありません。また神経内科が得意としている病気の人が他科に受診されていることもあります。
 神経内科は脳や脊髄などの身体の中心部を走る中枢神経系、それに連なる手足の末梢神経から筋肉に至るまでの各部位に起こる病気を診る診療科です。
 例えば、手や足が動かなくなる麻痺症状が起こったとすれば、脳から脊髄、末梢神経を通じて筋肉に達する、運動を支配する神経のどこかに異常が生じたと考えられます。そして、その原因としては、血管系の障害、炎症、腫瘍などの様々な可能性が挙げられます。神経内科ではこのような麻痺症状をきたした病気が起こった部位と原因を見つけ出して、治療することを専門としています。
 神経内科では運動麻痺以外に、手足のふるえやしびれ、呂律がまわらない、歩行障害、頭痛、めまい、物忘れなどの、脳神経が原因と考えられる様々な症状に対応していますので、ご心配の方はお気軽にご相談ください。ただし、これらの症状を起こす原因として、整形外科や精神科の病気などが考えられる場合には、それぞれの専門診療科にご紹介することもあります。
 実際に神経内科で扱う病気としては、血管の異常である脳卒中、身体が震えたり動作が鈍くなったりするパーキンソン病、若い女性に多い片頭痛、細菌やウイルスによる脳炎、免疫の異常が関係する多発性硬化症やギラン・バレー症候群、などがあります。他にも、現在の医学では原因の究明が困難な、いわゆる神経難病の患者さんの診療も行っています。
 神経内科を専門とするには特別のトレーニングを受ける必要があり、専門医の数は限られています。神経内科として開業している医療機関も各地に十分あるとはいえません。日本神経学会のホームページでは、各地域の神経内科専門医を探すことができますので、受診時の参考にご活用ください。

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