兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2011年4月

【火曜】 歯ぐきから血が出たら

一般に「歯ぐき」と呼ばれるものは、正式には「歯肉」と言います。ここから血が出る原因を考えてみましょう。

  1つ目は、10代-20代の若者によく見られる「歯肉炎」があります。不十分なブラッシングによって歯肉が炎症を起こし、ブラッシングの度に出血してくるものです。健康な歯肉は、薄いピンク色をしています。自分の口の中を見て、歯肉が赤く腫れているのがわかれば、そこを中心に、歯と歯肉の間をブラッシングするようにしましょう。1週間程度で歯肉の出血や腫れはおさまってくるはずです。

  2つ目は、「歯周病」が原因として考えられます。以前は歯槽膿漏とよばれていたものです。これは歯肉炎が進行したもので、歯肉はもちろん、歯を支える骨までが侵されている状態をいいます。この場合、歯肉からの出血は、血液だけではなく、膿(うみ)も混ざってくるため、口臭の原因にもなってきます。こうなってくると、もうブラッシングだけでは完全に治すことは難しく、歯科医院で治療してもらう必要があります。

  3つ目は、ただ単に口の中に原因があるのではなく、全身疾患が関連している場合があります。たとえば糖尿病のように、末梢の血管が弱くなり、感染しやすい傾向にある場合は、歯肉は無数の細い血管で成り立っているため、また、口の中には多くの細菌が存在しているので、歯肉に炎症が起こりやすく出血しやすくなります。

 以上の3つ以外にも、たくさんの全身疾患が歯肉の出血と関連しています。長く出血が続いたり出血の量が多い場合は、他の身体の部位にも何らかの症状があるかもしれません。そんな場合には、歯科医院を受診して、内科などを紹介してもらうようにしましょう。

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