兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2011年6月

【火曜】 高齢者の口腔ケアのポイント

 よく噛むことによる老化の抑制は、よくご存知のことでしょう。また、80歳で20本以上自分の歯を残そうという「8020」(ハチマルニイマル)もご存知のことと思います。

 高齢者は、どのようにすれば自分の歯を残すことができるのでしょうか?

 第1は、やはり毎日のセルフケアのブラッシングです。

 第2は、虫歯になりやすい甘いものを控えたり、高齢者は歯を壊す原因となる固い食品を控えたりして、歯に優しい食生活を送ることです。

 第3は、歯科医院で定期的なプロフェショナルケアを受けることです。

 プロフェショナルケアとは、専門家による歯と歯肉のお手入れです。知らず知らずのうちに磨き残してしまった部分や、歯ブラシではなかなか取り除けない歯周ポケットの中、つまり歯と歯肉の間の溝の部分を、歯科医師や歯科衛生士さんに専用機器を用いて、きれいにクリーニングすることです。虫歯の元になる細菌の塊を磨き落としますから、虫歯の予防になります。ブリッジなどの歯のない部分も自分では磨けないような所まできれいになります。

 定期的なプロフェショナルケアを受けた人と、虫歯や歯周病等で痛い時だけ歯医者さんを受診した人と比べると、20代や30代ではあまり変わりませんが、50歳を境にして、残っている歯の本数に圧倒的な差があることが研究によって判っています。「8020」を達成している人と、歯が1本も残っていない「8000」(ハチマルレーレー)の人では、一月当たりの医療費の合計を比較すると、20本ある人に比べて0本の人は平均14813円も高いという研究結果も出ています。

 しかし全国では、人口の僅か1.5%程度しか定期検診を受けていません。なかなか歯にまで気を使うことができないという方もあると思いますが、定期検診をすることで歯をたくさん残すことができ、おいしくお食事をすることができ、その結果として医療費の抑制につながると思われます。

 ぜひとも歯科医院で定期検診を受けて、健やかな食生活を送りましょう。

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