兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2011年7月

【金土日】アロエはやけどに効くか

  アロエは、ユリ科の多年草です。昔から「医者いらず」と呼ばれ、いろいろな病気や美容に良いとされ、多くの家庭で育てられています。とくに、やけどには、茎の内部のゼリー部分を皮膚に直接塗りつけたり、小さく切ったものを貼りつける方法がとられています。しかし、それは絶対にやってはいけないことなのです。

  アロエは、やけどには効きません。それには、3つの理由があります。

  第1に、アロエのゼリー部分には、シュウ酸カルシウムと呼ばれる、針のように尖った結晶成分が多く含まれているからです。この結晶は、目には見えませんが、やけどをした皮膚に突き刺さり、皮膚を刺激します。人によっては数日たつと、かゆみや痛みを伴った小さな水ぶくれができ、赤く腫れてきます。これは、針状の結晶によって、刺激によるかぶれを起こしたからなのです。

  第2に、細菌感染を起こすことがあるからです。熱によって障害を起こした皮膚は、皮膚を保護するバリアー機能が失われ細菌感染を起こしやすくなっています。そこに、不潔なまな板や包丁を使って切ったアロエを塗ることが良いわけはありません。

  第3に、アロエの中には、アロインと呼ばれる化学物質が含まれています。この物質がアレルギーを引き起こし、塗った場所にかぶれを起こすことがあるからです。

  このような理由から、やけどをした皮膚にアロエを塗ってはいけないのです。やけどをしたときは、まず冷やしてください。近くに氷があれば氷水を作りタオル等で冷やし、なければ流水で30分前後患部を冷やしてください。その後、皮膚に水膨れができた場合は、直ちに皮膚科等の専門医を受診して下さい。水ぶくれができたのは、熱によって皮膚の深いところまで障害を受けた印だからです。

 やけどの治療は、その深さにより異なります。アロエ等を用いる民間療法はしないで、専門医を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。 

 

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