兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2011年9月

【木曜】 乳がんの早期発見・早期治療

 生活様式の変化に伴って、乳がんに罹る方が徐々に増えています。20歳代での発病は稀ですが、50歳前後をピークにしてあらゆる年代で発病します。40歳以降は好発年齢といっていいでしょう。

 でも乳がんは、いろいろながんの中でも比較的発見しやすく、また治しやすいがんと言えます。早期に発見できれば、ほぼ治すことができます

 乳がんは、早期のうちに自分で見つけることができます。一番多い自覚症状は乳房のしこりです。早期発見のためにはご自分の乳房に触れていただく自己検診が大切です。自己検診は月に一度、お風呂で石鹸をつけて触れるとよいでしょう。乳がんのしこりは通常痛みがなく、植物の種のような硬さがあります。

 乳がんの症状は、他に乳頭からの出血や形の変化など様々ですが、気になることがあれば迷わず専門医を受診してください。大きさや位置によっては症状がない場合もありますので、マンモグラフィーや超音波エコーによる乳がん検診を受けていただくことも大切です。乳がん検診は2年に一度、できれば毎年お受けください。

 乳がんの治療は、手術と薬物療法が中心です。

 手術は最近、がんの部分だけを切除して、乳房そのものや転移のないリンパ節を残す、体に負担の少ない手術がよく行われています。乳房を残した場合やリンパ節転移の数が多かった場合は、あとで放射線治療を行います。

 薬物療法は、がんの転移・再発を防ぐための全身治療で、手術に劣らない重要な治療法です。ホルモン治療と抗がん剤治療があります。患者さんのがんの性質に合わせて、そのいずれか、または両方を行います。

 これまで薬物療法は、手術の後にするのが普通でしたが、最近は、薬の効き具合をみたり乳房を残す手術を行うことを目的に、手術前に行うことが増えています。新しい治療法が次々と開発されており、薬物療法だけで乳がんが消えてしまうことも、もはや珍しいことではありません。

 乳がんの治療は、治癒する確率を高めながら、体の負担を少なくする方向で日々進歩しています。もし乳がんにかかったとしても、いつか普段通りの生活を送ることができるでしょう。 

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