兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2011年10月

【月曜】 生理日の移動について

 「いろんな行事や受験などの大切な日に生理が重なりそうで困る」「元々生理不順なのに、なぜか大切な日に生理になってしまう」などという女性は多くいます。

 生理は、早くしたり遅くしたり、また軽くしたりできます。このことを「生理日の移動」と呼んでいますが、これについてお話します。ただし、子宮や卵巣の病気の人や、肝臓の悪い人、血栓のできやすい人、ヘビースモーカー、高度の肥満、高血圧、糖尿病の人などは注意を要しますので、事前に主治医と良くご相談ください。

 生理とは、妊娠が成立しなかったときに、胎児のベッドになるはずであった子宮の内膜を血液で洗い流す作業です。

 その子宮の内膜は、排卵前の卵巣から出るエストロゲンと呼ばれる卵胞ホルモンで増殖し、排卵後の卵巣から出るプロゲステロンと呼ばれる黄体ホルモンで整えられます。その両方の血液中の薬の濃度、つまり血中濃度が下がった時に、子宮内膜の一番底にある動脈が痙攣を起こして出血するのが生理です。

 このため、エストロゲンとプロゲステロンの薬を服用することによって、生理を早くしたり遅くしたり軽くしたりすることが可能です。

 生理を遅らせたいときは、生理がくると思われる日の一週間ほど前にホルモン剤の服用を始め、生理が来てもいい日まで飲み続けます。それは両方のホルモンの血液中の量を保って生理を起こさせないという、にせの妊娠療法、いわゆる「偽妊娠療法」と呼ばれるものです。この場合、薬は1日2回もしくは3回と、時間を決めて服用します。

 大切な日の予定が早く分かっているなど、急がない時は、2カ月くらい前から同じ薬で生理を少しずつ調整していく方がより確実です。この場合は、1日1回の服用でいいので、飲み忘れも少なくなると思います。いずれも血中濃度を保つことが大切なので、薬は決められた時間を守り、絶対に飲み忘れてはいけません。

 副作用としては、吐き気・嘔吐・乳房の張る痛み・倦怠感・むくみによる体重増加などがあります。ひどい場合は、薬を変えて軽くしたり、服用を中止すればなくなるものですから、事前に主治医にご相談ください。 

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