兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2011年12月

【火曜】 「保険でより良い歯科医療を」すすめる運動と全身の健康

 私たち兵庫県保険医協会は「保険でより良い歯科医療を」の運動に取り組んでいます。

 最近の研究で、歯の健康が全身の健康に如何に大切であるかが分かってくるにつれ、この運動がますます重要になってきました。全身の健康に大きな影響を及ぼす大切な歯の健康を維持するためには、国民が「お金の心配なく、平等で安心・安全の歯科医療」を受けられるようにすることが何よりも大切なことだからです。

 歯の健康が全身の健康に及ぼす例をいくつかお話します。

 歯周病は、歯がぐらぐらしてきて、抜けてしまう病気です。成人の8割以上がかかっている非常に多い病気です。この歯周病にかかると、糖尿病・心臓病・誤嚥性肺炎、出産時の早産などを引き起こす可能性があることが分かってきました。血液中に流れ込んだ歯周病原菌から出る物質が、インスリンの働きを阻害し、糖尿病を悪化させる可能性があるのです。そのため、歯の治療をしっかり受け、歯周病が改善されることで糖尿病の改善も期待できますので、糖尿病のある方はぜひ一度歯科医院にご相談することをおすすめします。

 心臓病では、血液中に入り込んだ歯周病原菌に関係する細菌が、心臓の「心内膜」と呼ばれる膜に定着して増殖し、「細菌性心内膜炎」という病気を引き起こすことが知られています。

 また誤嚥性肺炎といって、阪神大震災の時にも大きな問題になりましたが、お年寄りなどで飲み込む力が低下すると、食道に入るべきものが誤って気管に入ってしまい、肺炎を起こす病気です。この誤嚥性肺炎から歯周病を起こすバイ菌が検出されています。誤嚥性肺炎を防ぐためには、「口腔ケア」、つまり口の中をいつもきれいにしておくことが大切です。それによってバイ菌が減って肺炎が防げます。この点でも歯科医院で、正しい「口腔ケア」の方法をお聞きください。

 歯やお口の健康のためにも、医療機関での窓口負担を大幅に減らすことや、保険で治療できる範囲を広げることなど、現在の不十分な歯科医療制度の改善をめざす「保険でより良い歯科医療を」の運動がますます重要です。引き続きみなさんとご一緒に取り組んでいきましょう。 

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