兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2012年5月

【金土日】海外から持ち込まれる感染症

 そろそろ夏休みの旅行計画など考えておられる方もおいでのことと思います。海外旅行も身近なものとなり、観光地以外に行かれる人も増えているようです。

 旅行の準備のときに、パスポートや航空券と同じぐらい忘れてはならないのが、渡航先に応じた感染症対策です。SARDS(サーズ・Severe Acute Respiratory Syndrome)や新型インフルエンザが記憶に新しいところですが、海外から日本国内に持ち込まれた感染症が大流行しますと、社会全体が大混乱することになりかねません。

 渡航先で気をつけなければならない感染症や、予防接種の必要な感染症は、旅行社や厚生労働省検疫局のホームページなどで確認してみましょう。特に、海外勤務や留学で現地に長期に滞在する場合は、予防接種が義務づけられているものも数多くありますので、注意してください。効果が出るまで2~3回の接種を必要とするものもありますので、できるだけ出発の3カ月以上前から、余裕をもって準備されることをおすすめします。

 海外では、日本のように衛生面が整備されていないところが多いので、水や食事だけでなく、蚊や野生動物からの感染にも注意が必要です。東南アジアやアフリカで鳥インフルエンザの患者が報告されているほか、メキシコではデング熱の流行、アメリカや中南米では狂犬病、フィリピンではレプトスピラ症、フィジーやジンバブエでは腸チフスの発生が報告されています。また、海外でブームのタトゥー・入れ墨やボディーピアスを入れた方のなかには、AIDSを発症するHIVウイルスの感染やB型、C型肝炎の発生が報告されていますので、極力避けるようにしましょう。

 海外での感染を防ぐには、手洗いと飲食への注意、虫除け対策、動物に近寄らないこと、インフルエンザなど咳やくしゃみでうつる病気がはやっているときは人混みに近寄らないことなどを徹底しましょう。予防接種も普通の医療機関では実施していないことが多いので、検疫所や保健所へ問い合わせをするか、トラベルクリニック、旅行外来や渡航外来を設置している医療機関などに確認されてから受診されることをおすすめします。

 では感染症への準備を整えて、海外旅行をお楽しみください。 

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