兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2012年9月

【木曜】 鼻づまりとその合併症

 鼻づまりは、耳鼻咽喉科の診療で最も多い訴えの一つです。

 鼻づまりの原因となる疾患としては、急性のものであれば、風邪などの上気道炎及びそれに引き続く、一般に蓄膿と呼ばれる急性副鼻腔炎などがあります。合併症が問題になるのは、主として慢性の鼻づまりだと思います。

 鼻づまりの合併症を考えるとき、鼻や副鼻腔(鼻の骨の内部にある空洞)の構造は、発育途中の子どもと大人では少し様子が異なります。とくに就学前の子どもは、喉の奥の上にあるアデノイド(咽頭扁桃)が腫れることで鼻づまりを引き起こす原因となることが多く、副鼻腔炎を慢性化させる要因ともなります。また、最近は生活の変化に伴いアレルギー性鼻炎が増加し、花粉症の発症も低年齢化しています。

 いずれの原因にしろ、鼻づまりが長期化すると、子どもでは急性中耳炎や、中耳に水がたまる「滲出性(しんしゅつせい)中耳炎」など、中耳の病気を起こすことが多くみられます。とくに滲出性中耳炎は気づきにくいので要注意です。子どもの鼻がズルズルしているうちに、なんとなく聞こえにくいかなと思われるようなことがあれば、すぐに耳鼻咽喉科を受診してください。

 一方、大人では、眠っている間に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」が問題になっています。大きないびきをかいて寝ていながら、睡眠中に呼吸が停止することを繰り返すため睡眠が浅く、日中はうとうとするような症状があります。この原因は、鼻づまりだけでなく咽頭の形や扁桃腺の大きさ、肥満等の関与もあるのですが、特に成人では、高血圧や心臓病など循環器の病気を合併することが多いようです。

 もちろん子どもにも同じような症状はあるのですが、子どもの場合は鼻づまりとともに、アデノイドや扁桃腺が大きいことが原因となっていることも多いようです。いずれにしても、症状によっては手術の対象となる病気です。

 鼻づまりが長引いている場合は、自分で判断するのではなく、耳鼻咽喉科の医師に相談してください。

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