兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2012年12月

【年末年始】旅行中の薬の飲み方

 この時期は里帰りや海外旅行に出かける方もおられるでしょう。今回は旅行中の薬の飲み方についてお話します。

 まず国内旅行です。旅行では食事の時間がずれたり、一食抜けたりすることがあるかもしれません。薬を飲む時間は食前、食後などと指示されていますが、食事時間が大きくずれる時は、食事に関係なく「いつもの時間がきたら飲む」という方法にしましょう。「食事をしたから飲む」のではなく「時間がきたから飲む」のです。つまり1日1回の薬は24時間ごとに、1日2回の薬は12時間ごとに、1日3回の薬は8時間ごとに飲むようにします。もちろん、糖尿病の薬や痛み止めなどは、食事との関係が大事ですので、かかりつけ医に相談しましょう。

 次に海外旅行の場合です。時差の少ない国に旅行する場合は、先ほどお話した国内旅行と同じような飲み方がお勧めです。時差の大きい国に旅行する場合も、やはり「時間がきたから飲む」のが基本ですが、だんだんとずらして旅行先の時刻に合わせるようにしましょう。少々時間がずれても気にしなくていいです。でも、昼夜が逆転するほど時差が異なる場合は、「1日1回朝に飲む薬」と言われても、いつ飲めばいいのか分かりにくいですね。こんな時は前もってかかりつけ医に相談しましょう。

 最後に、海外旅行に薬を持っていく際の注意点についてです。薬の持ち運びは、ほとんどの場合は問題なく税関をパスできるのですが、沢山の薬が目に留まるとトラブルになることもあります。慢性病の薬は、かかりつけ医に署名入りの英語の処方箋を書いてもらいましょう。常備薬の場合は、その名前や成分、使用の目的を英語で書いた説明書を用意しておけばいいです。また、薬はバラバラにせずに持っていく方が誤解を受けません。特に水薬や粉薬、精神・神経系の薬、インスリンの注射器や針は、麻薬所持や密輸の疑いがかけられ、長い時間足止めされたり、取り上げられてしまうこともあるようです。こうなっては旅行どころではありません。前もってかかりつけ医や薬局と良く相談するようにしましょう。

 では、十分に準備をして安心、安全な旅を楽しんでください。

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