兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2013年1月

【水曜】 四十肩、五十肩のはなし

 「四十肩、五十肩」は、ほぼ言葉の通り、40歳代からの中年以降に多く、肩の関節や二の腕の痛みが起こって、腕を挙げにくくなる状態を言います。

 多くは1年前後で自然に回復するものですが、対応の仕方によっては、長期にわたって動きが悪くなることもあります。

 「四十肩、五十肩」の原因は、肩の周囲の炎症によるものと考えられています。これは肩関節という場所が複雑に、骨や腱、筋肉や関節液が組み合わさっている特殊な構造(肩峰下滑液包、腱板、関節包、烏口突起、上腕二頭筋長頭腱など)と関係があります。

 以前は、「四十肩、五十肩」と「肩関節周囲炎」は同じ意味でしたが、最近は、原因の明らかな疾患を除いて、「原因のはっきりしないその他のもの」を、狭い意味での四十肩、五十肩としています。

 病気の経過は、第1は痛みが出て悪化する時期、第2は痛みで肩関節が動きにくくなる時期、第3は回復に向かう時期、という3つの時期に分けられます。

 治療としては、第1の痛みが強い時期は、それを抑えるために痛み止めの湿布や飲み薬を用います。肩の安静も必要なことです。しかし、第2の時期に肩を長く動かさないでいると、肩の拘縮(こうしゅく)、つまり固まってしまって、動かしたくても動かせない状態になることもあります。それを防ぐために、湿布や入浴で痛みを取りながら、かなり早くから運動療法をしっかり行うことが大切です。

 運動療法は、「アイロン体操」と呼ばれるものが昔から有名です。アイロンを振り子のように振るものです。軽めのダンベルでも代用できますし、小さなペットポトルに水や砂を入れて使う方法もあります。いろいろな体操が工夫されていますが、要は、「腕がこれよりも挙がりにくい」という所まで、挙げる努力をすることが重要です。

 肩のあたりに痛みが出たり、痛みが続いたりするようであれば、できるだけ早い時期に整形外科を受診されることをおすすめします。

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