兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2013年2月

【水曜】 便秘でお悩みのあなたへ

 すっきり排便が出来ないで日々苦労している方は実に多いものです。

 1日に何回も排便があるけど、まだ便が残っている感じの取れない人は、「自分は便秘です」と言います。かたや4~5日に1回しか排便がないけど、排便のあとスッキリしている人は便秘とは思っていません。みなさん食事の工夫をされたり、様々な下剤を服用したり、適度な運動をしたり、日々苦労されているようですね。

 はっきりした便秘の定義はありませんが、大切なことは、自己判断で薬を次から次へと変えるのは危険です。大腸がんが大きくなり、腸の中が狭くなって便が通りにくくなっているかもしれません。まず医療機関に行って大腸の検査をすることをお勧めします。便の通り道が狭くないのなら、腸の動きの問題かもしれません。消化器内科の先生に相談してお薬を調節してもらってください。

 大腸内視鏡検査も昔と比べれば、検査器具の改良もあり随分楽になりました。大腸の一番奥である盲腸までは10分~15分で届きます。大腸全体を検査するのが辛いという方は、一番病変の多い40~50センチまで、つまり直腸とS状結腸だけでもいいですから検査しましょう。大腸病変の60%~70%はこの部位に発生します。

 世の中には様々な便秘薬が出回っています。そのほとんどは腸に対して刺激的に作用します。人間は刺激には徐々に慣れてしまうものです。これらの下剤の主な成分は「センナ」というもので、確かに良く効きますが、長年使用していると量が増えてきます。センナの量が増えないように、食事を工夫して乳酸製品も取り入れ、また刺激の少ない他の下剤に変えてみるなどの工夫をしてください。

 便秘に関する色々な本では、便秘には繊維の多い食べ物が良いといわれます。しかしあまり繊維の多いものを食べ過ぎても下痢、腹痛の原因になりますので、調理方法を工夫しましょう。市販されている植物繊維の粉末を料理に加えるのもいいでしょう。

 便秘は赤ちゃんからお年寄りまでみられます。大腸の先天異常による頑固な便秘や、乳幼児の牛乳アレルギーによる便秘、女性特有の排便困難で、直腸の一部が肛門近くで袋状に膨れてしまう病気(直腸瘤)、お年寄りに多い直腸型便秘など、色んな便秘のパターンがあります。

 それぞれの症状に合わせた治療、アドバイスを受けて毎日、快食・快便の生活をお過ごしください。

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