兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2013年4月

【水曜】 「ぎっくり腰」について

 「ぎっくり腰」は急に起こる腰の痛みである、急性腰痛症という病名の俗称で、地方により「びっくり腰」、「きやり腰」などとも呼ばれています。

 中腰で物を持ち上げたりする時に起こることが多いのですが、体位と関係なく起こることもあります。あくまでも「ぎっくり腰」は病名ではありませんので注意してください。

 急性腰痛症の原因としては筋肉、筋膜の損傷、腰骨の関節の捻挫、椎間板ヘルニアなどによるものがほとんどです。高齢者では、腰骨の骨折によるものもあります。

 整形外科的なものは、大半が炎症によるものですから冷やしたほうが良いのです。しかし実際は、風呂で温めて悪化させてから受診するケースをよく見かけます。注意しましょう。

 治療は、腰痛の原因が多数あるため様々な対応が必要となります。動けるなら出来るだけ早く医師の診察を受け、原因をはっきりさせた上で、最も適切な治療と生活指導を受けることが大切です。治ってから正しい病名を聞いておいてください。後日に腰痛が起こったときに参考になります。

 痛みが強くて動けない時は、痛みが和らぐ体位を保って安静にしましょう。1日か2日でかなり痛みは軽くなるものです。もし、痛みがどんな体位でも楽にならず短時間に悪化する場合は、すみやかに医療機関を受診して精密検査を受けましょう。自己判断は禁物です。

 注意したいのは、整形外科的なものではない急性腰痛症には、例えば腎臓や骨の腫瘍、大動脈の病気に由来するものもあることです。さらに、急性腰痛症の初期にマッサージや指圧などをすることで、痛みがさらに悪化して来院される方が少なくありません。

 最後に、疲労、寝不足、仕事上の過度のストレスなどの要因がベースにあるために、発症しやすい状態になっていたと考えられる患者さんも多くおられます。

 急性腰痛症の予防のためにも、日常の規則正しい生活を維持するよう心がけましょう。

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