兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2013年5月

【金土日】うつの時代、「心の風邪」を考える

 WHO(世界保健機構)は、人々の健康について調査研究しています。その中で、病気のために生活が困難になる重大な病気や障害の第1位は、高血圧や心筋梗塞などの心臓血管系の病気で、次にがんなどが続きます。驚くことに、うつ病は現在第4位で、2020年までに第2位になると予想されています。

 つまり、うつ病は現代社会に蔓延しているありふれた病気ですから、その早期発見と早期治療、何よりもその予防がとても重要です。「心の風邪」という言葉も、阪神・淡路大震災以降にメディアに登場し始めて、今では毎日見たり聞いたりされると思います。

 では一体、「心の風邪」とはどんな症状でしょうか?

 何となく食事がおいしくないとか、何となく眠れない、何となく楽しくない、何となく体がだるい、何となく元気がない、何となく落ち着かないなどという状態です。また、些細な怪我や事故が続く状態も「心の風邪」症状です。とりあえずは、"何となく何々…"というキーワードを覚えていてください。

 体の風邪症状なら、みなさんはすぐにお判りでしょう。寒気がする、鼻水が出る、微熱があれば、風邪かな?と思って、早めにおいしいものでも食べて、暖かくして休むでしょう。早めに受診して重症化させない工夫を誰でも知っています。一年に二度三度はひくのが当たり前だからです。

 さて、「心の風邪」についてはいかがでしょうか? よくよく観察すると、誰でも一年に二度や三度、実は「心の風邪」をひいています。私たちは、知らず知らずのうちに「心の風邪」を風邪症状のうちに治してしまってはいますが、これをこじらせて重症化させた一つが「うつ病」です。

 現代はストレス社会と言われます。つまりそれは、「心の風邪」の原因が蔓延しているようなものです。「心の風邪」の内に専門家を受診し、重症化させない工夫をすること、それがうつ病を予防することなのです。

 「何となく眠れない、何となく食事がおいしくない、何となく楽しくない・・」という状態に目を向けて、「心の風邪」の早期発見・早期治療をぜひ身につけてください。

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