兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2013年12月

【火曜】 嚥下障害と、ムセて咳きこむ誤嚥

 食事は水分・栄養を摂るためだけではなく、いろいろな飲み物や食べ物、つまり飲食物を味わい楽しむ時でもあります。その楽しみを奪われかねない嚥下障害、つまり飲み込みの具合の悪さへの関心が高まっています。

 今日と明日の2回にわたって、嚥下障害と誤嚥についてお話します。

 嚥下障害の症状は大きく分けて2つあります。飲食物がのどを通らない通過障害と、飲食中にムセて激しく咳こんでしまう誤嚥があります。

 誤嚥とは、本来は食道から胃へ入るはずの飲食物が、のどを通過するときに誤って気管に入ってしまうことです。誤嚥すると、ムセと呼ばれる激しい咳き込みが起こりますが、これは気管内に入った飲食物を押し返すためのとても重要な防御反射です。誤嚥しても強く咳き込み、全てをのどへ押し返してしまえれば、まず何事もありません。また、一部が気管から肺に入ってしまっても、免疫力がしっかりしていれば、そう簡単に肺炎を起こすことはありません。

 何かのはずみにムセてしまうことは、誰にでもあります。飲食物が口の中にあるのに、それを忘れて、大声を出そうとしたり喋ったりしたときにムセてしまった経験を持つ人は多いと思います。このような現象を「機会誤嚥」と呼び、最も軽い第一段階の誤嚥です。「水を飲むとムセてしまう」と相談を受けることはよくありますが、これは「水分誤嚥」と呼ばれる第二段階の誤嚥です。気をつけて慎重に飲んでもムセるようなら、少しトロミを付けてみることをおすすめします。第三段階は、食べ物でムセる「食物誤嚥」、第四段階は、飲食と無関係に唾液を飲み込んでムセる「唾液誤嚥」です。段階が上がるほど重症度が高まり、肺炎リスクが大きくなります。第三、第四段階であれば、医療機関の受診が必要です。

 大量の誤嚥、何回も起こる誤嚥、何らかの原因で防御反射である咳込みが弱い場合は、肺炎を起こす危険性が大きくなります。「誤嚥性肺炎」と呼ばれ、原因となる菌は様々ですが、肺炎球菌ではないことが圧倒的に多く、肺炎球菌ワクチンの接種で誤嚥性肺炎を予防することは難しいと考えられています。

 明日は、誤嚥の原因とその防止策についてお話します。

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