兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2014年12月

【水曜】 ストップ!窓口負担増

 皆さんは、お医者さんにかかると、検査や治療を受け、お薬をもらって、帰りに窓口でお金を払いますね。この時に支払うお金を「窓口負担」と言います。今、政府はこの窓口負担を増やす計画を考えています。今日は国民皆保険制度における窓口負担についてお話します。

 現在の窓口負担は、一般的に、70歳未満の人は、かかった医療費の3割、70歳から74歳は2割、75歳以上は1割となっています。(自治体によっては子どもさんを中心に、負担を軽くする制度があります)例えば、一万円の医療を受けると、負担が3割だと三千円、1割だと千円を支払います。

 では、この窓口負担は高いのでしょうか、安いのでしょうか。実は先進国の中ではかなり高い方です。

 日本の医療の質は世界でも最高レベルです。これは「いつでも、どこでも、誰でも」が最適な医療を受けられるという、国民皆保険制度の良い点を守り続けて来たためです。この「誰でも」という言葉は、誰もが「お金の支払いを心配せずに医療が受けられる」という原則を示しています。

 確かに窓口負担を高くすれば、国が出す費用や、皆さんが支払っている健康保険料は少なくて済みます。しかし、窓口負担が高いと、暮らしが成り立たない人や、多くの病気を抱える人、何回も通院が必要な患者さんは受診を控えることになりがちです。中には病気の診断や治療が遅れたりする人が出るかもしれません。実際に、今でも窓口負担が高くて払えないため、受診を控えている人は少なくありません。

 政府は、「このままではお金が足りなくて、国民皆保険制度がもたない」という理由で、窓口負担以外にも、入院中の食事代など、患者さんの負担をさらに増やそうと計画しています。

 国民皆保険制度は助け合いの精神から成り立っています。お金が足りないのなら、治療が必要な患者さんからではなく、国が責任を持って、負担する力のあるお金持ちや大企業から集めるのが当然ではないでしょうか。

 患者さんの負担を増やし、受診を控えさせるような制度改悪は、「いつでも、どこでも、誰でも」が「最適な医療を受ける」という日本の国民皆保険制度そのものを壊してしまいます。

 兵庫県保険医協会は、窓口負担増加に反対する署名活動を行っています。かかりつけの医療機関にお問い合わせの上、ぜひ、署名にご協力ください。

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