兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2015年1月

【水曜】 傷の正しい治し方「湿潤(しつじゅん)療法」

 19世紀以来、「傷は消毒した後、ガーゼで覆って早く乾わかす方がよい」とされてきました。しかし今、この治療法は間違いであることが分かってきました。

 消毒薬は細菌を取り除く以上に、傷口の再生に必要な生きた細胞まで傷つけます。傷口からしみ出してくるジクジクした液には傷を治す成分が含まれていますが、ガーゼに吸い込ませ続けると、乾燥して細胞分裂が止まってしまい、傷が治りません。また、できたカサブタはガーゼにくっついて、ガーゼを換える時に治りかけの皮膚も一緒にはがしてしまいます。

 消毒と乾燥は、百害あって一利なしということになります。

 これに対して「湿潤療法」は、まず傷口を生理食塩水や水道水で洗い、異物を除きます。続いて、傷口の潤いを保てる素材でできたシートやパッドで覆って乾燥を防ぐという治療法です。軽いけがならば、数日間できれいに治ってしまいます。

 傷が治る過程で、傷ロがジクジクすることがありますが、膿んでいることは少なく、体が傷を治そうと一生懸命働いている証拠です。カサブタもできず、皮膚がつるっとした感じになり、痛みが少なく、早く治り、傷跡も目立ちません。

 ご家庭でのケガの手当は、まず、出血があれば傷口を圧迫して止血します。大きな怪我以外は心臓に近いところを縛る必要はありません。きれいな傷ならば、周りを湿らせたガーゼで拭いて汚れを落としてください。傷に砂や泥がついていたら、ちょっと我慢して水道水でよく洗います。市販のキズ用シートで覆います。それがない場合は、台所のラップを四角く切り、四隅を絆創膏で止めます。絶対に消毒液は使わないでください。分泌液が多ければ、上からタオルを当てて包帯を巻きます。1日に1-2回交換してください。その際はきれいに洗って、汗や垢を落とします。

 傷の周囲が赤くなったり痛みが強くなった場合は、ばい菌による感染の可能性があります。また深い傷、咬み傷、水ぶくれができたやけど、出血が止まらない傷、そして汚れが取れない汚い傷などは、早めに医療機関を受診してください。

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