兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2015年4月

【火曜】 ストレスが原因の歯の病気

 精神的なストレスが身体に影響を与えることはよく知られています。

 たとえば、極度の緊張感や不安感にさらされると顔が青ざめたり、心臓がドキドキしたりするのは、誰しも経験したことがあると思います。たいていは、不安や緊張が解消されれば自然に治りますが、ストレスが長期に続くと、自律神経や内分泌に変調をきたし、思わぬところに病気が発生します。

 歯科で扱う病気でも、ストレスが影響していると考えられる、次の3つのものがあります。

 第1は、ストレスで虫歯ができることがあります。これはストレスで唾液の分泌が減り、虫歯ができやすくなります。

 第2は、アゴの関節の痛みや口が開きにくくなるなどの「顎関節症」です。この原因の一つにストレスがあります。

 第3は、「歯周病」です。主な原因は、歯垢と歯石ですが、ストレスが加わることで、歯の周囲で慢性の炎症が起こり、歯を支える骨が急速に破壊されます。つまりストレスは、歯周病を急速に悪化させる原因となりうるということです。

 その他、歯ぎしりや口内炎、口臭、歯や歯茎の異和感、原因のはっきりしない治りにくい歯の痛みなども、ストレスが原因のものと言われています。

 ストレスが原因かどうかの診断は簡単にはできませんが、他に明確な原因が見当たらない場合には、ストレスが原因と疑ってみることも必要です。ストレスが原因の疾患は、ストレスの解消を図るとともに、適切な歯科治療を行うことで比較的簡単に治る場合が多いです。しかしなかには、うつ病など内科的な病気のために、歯科治療だけではいくらやっても治らないケースがあります。

 リストラ、長時間労働、受験競争など、年齢層の如何にかかわらずストレスが強い現代です。できるだけ心のゆとりを持つことが大切です。

 ただし、専門家でないとわかりにくいことが多いので、気になる症状をお持ちの方は一人で悩まずに歯科医院を受診し、場合によっては神経科や心療内科を紹介してもらってください。

 また、定期的な検診で、早期の対応も可能になることも多いので、定期的な検診を受けられることを是非おすすめします。

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