兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2015年8月

【月曜】 蚊が飛ぶように見える"飛蚊症"

 眼科を受診される方の中には、点や紐や膜のようなものが、蚊のように目の前を飛んで見えるという訴えをされる方が多くいらっしゃいます。この「飛蚊症」と呼ばれる症状の原因と対処法について、お話しいたしましょう。

 飛蚊症は、眼球の中にある、硝子体(しょうしたい)と呼ばれる透明なゼリーの中にできた濁りが、網膜というスクリーンにその影を映したものです。この硝子体の中の濁りの原因として、病的なものと、病的でないものがあります。

 多くの場合は病気ではなく、硝子体の中にある正常な繊維や細胞の成分が、光の加減で影になって網膜に映る「生理的飛蚊症」と呼ばれる、病的でないものです。これらは大なり小なり、年齢とともにみられるようになり、近視の方には少し出やすいかも知れません。このようなものは急に気づくことはあっても、その後は大きく変化することは少なく、治療の対象にはなりません。

 一方、治療が必要な病気のなかに飛蚊症の症状から始まるものがあります。まずは網膜剥離が有名です。それ以外にも、いろいろな原因から眼の中で出血が起きたり、それに伴って炎症を起こすものなどがあります。

 治療しなければ失明あるいは見え方に影響を残してしまう場合もあります。このような場合には、飛蚊症が日を追うごとにひどくなったり、かすんだり、光が見えたり、膜が揺らいで見えたり、視野が欠けて見えるなど、他の症状が出てくることもあります。そのままにしておくと視力が低下することがありますから、レーザー光線を当てたり、薬などで早急に治療をする必要があります。

 このように、飛蚊症の原因はピンからキリまであります。早急に治療をしなければならないか、経過を見ていても良いものかどうかを判断するために、早めに眼科を受診し、手遅れにならないようにすることが大切でしょう。

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