兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2015年9月

【火曜】 足の裏の痛み―足底筋膜炎―

 ウォーキングは健康維持に良く、肥満や生活習慣病の方もこれを改善します。いつでもどこでも誰とでもできる、簡便で安価な運動です。近場の用事などは車を使用せず修行の一つと思ってウォーキングをすれば、CO2の削減・地球温暖化防止の一助にもなるでしょう。

 しかし 「ウォーキングをすると足が痛くなるのでしたくない」とか、「足の裏側が痛くてウォーキングができない」という方もおられます。

 今日は、いろいろな足の痛みを起こす病気のうち、主に「足底筋膜炎」についてお話します。これは別名「足底腱膜(けんまく)炎」とも呼ばれます。

 足底筋膜とは、足裏を手で少し圧迫しながら横方向にずらすと感じる、踵(かかと)から足先にかけてあるバンド状の部分です。激しいスポーツやウォーキングの後に、足にかかる負荷が大きかったために起こった病気です。

 足の裏の痛みが続くようであれば、まずしっかり足裏を観察してみましょう。土踏まずの踵に近い方に痛みがあれば、足底筋膜炎の可能性があります。足裏の皮膚に色や腫れの目立った変化がふつうは出ませんが、朝起きて体重をかけると、踵と足の裏に痛みを感じて、手で押さえると痛みがはっきりします。

 治療では、飲み薬や貼り薬で痛みを和らげる方法があります。またウォーキングや運動をする前にテーピングして、足裏への負荷が筋膜にかかるのを抑えたり、足裏にインソール (足底板)を付ける治療法も有効です。痛みが強い場合には麻酔剤とステロイド剤を使った注射療法もあります。

 その他、よく見聞きする病気も少しお話します。

 鶏眼(けいがん)つまり「魚の目」と呼ばれるものは、足の裏の皮膚が硬く分厚くなったために、歩くときに痛みます。足の病気でも、化膿したりまれに腫瘍であることもありますので、皮膚科専門医を受診してください。

 また、外反母趾という足の親指が変形する病気も、歩くと痛みが強くなります。ウォーキングによる足の痛みでは、靴や装具などの工夫によって軽くすることもできますから、整形外科専門医を受診することをおすすめします。早期発見・早期治療が何より大切です。

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