兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2015年11月

【木曜】 慢性腎臓病と透析

 腎臓の主な働きは、血液を濾過して、老廃物や余分な水分を尿として体の外に出すことです。また、体液の酸性アルカリ性の調節や、ホルモン分泌といった複雑な働きもしています。

 そのため、最近話題の再生医療の分野でも、腎臓という臓器そのものを再生することは困難とされていますが、腎臓を構成する細胞に関してはIPS細胞を利用した研究がすすんでいます。

 透析治療は、腎臓の機能が10%以下に低下した場合に必要となり、現在全国には約30万人の方が受けています。一般的には週3回程度、1回に4時間前後の治療になります。時間の制約を受けたり、透析のたびに血管に針を刺す痛み、血圧の変動など、辛い思いをされている方も少なくありません。

 透析治療を開始する方の40%以上は糖尿病の方という調査が出ています。また、尿蛋白や血尿で発見される腎炎の方、高血圧や遺伝性の病気の方なども腎機能障害の原因に挙げられています。血糖値や血圧の高い方、健診などで尿検査の異常を指摘された方は、早めに医療機関に相談しましょう。他の病気と同様に、早期発見・早期診断・早期治療で病気の進行を防ぐことができます。

 まず腎臓の病気は、かなり悪化するまで自覚症状が出にくいことも知っておきましょう。

 「ネフローゼ症候群」と呼ばれるものは、高度の尿蛋白によって体にむくみが出ることで、早めに気づくこともあります。しかし、「なんとなくだるい」「食欲がない」「息切れがする」といった症状で受診してから、進行した腎機能障害が発見されることも多くあります。

 定期的に尿や血液の検査を含む健診を受けて、異常の有無を確認しておくことが大切です。特に自営業の方や主婦の方などは、定期健診を受ける機会を逃してしまいがちなので注意が必要です。

 腎臓病をよく理解して、早めに対処することで、透析治療を受ける方の数を減らすことができます。健診で腎臓病が疑われた場合は、軽度であれば近くの内科医院に相談してください。もし尿蛋白や血尿が強く出ているとか、腎機能障害の検査値が出ている場合は、腎臓内科のある専門の医療機関を受診してください。

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