兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

健康情報テレホンサービス

2015年12月

【水曜】 その症状 甲状腺機能が低下していませんか?

 疲れやすくなったり、気力が低下したり、手足がむくみやすくなったり、寒がりになるといった症状がありませんか?。また、便秘や皮膚のかさつき、頭の回転が鈍くなり、記憶力も低下していませんか?。

 甲状腺は、喉ぼとけの下にある内分泌腺のひとつで、ここで作られる甲状腺ホルモンは、からだにとって不可欠なホルモンで、心臓や胃腸などの臓器や器官、その他、生命活動を維持するエネルギー代謝の調節を行っています。甲状腺ホルモンが不足すると、これらの働きが低下し、全身にさまざまな症状が出てきます。

 エネルギー代謝が低下することにより、体重が増えたり、コレステロール値が高くなることもあります。ホルモンの低下がさらに進むと、息切れや呼吸困難といった症状が出現し、心不全になることもあります。

 甲状腺機能が低下するおもな病気には、「橋本病」があります。別名「慢性甲状腺炎」とも呼ばれています。血液検査によって病気の診断が可能ですが、一般的な健康診断などでは、甲状腺ホルモンを調べることが少ないため、病気が見つからない場合もあります。かかりつけの内科や、内分泌、甲状腺専門医がいる医療機関への受診が必要です。

 なお、甲状腺の病気では、よく、くびが腫れると言われていますが、甲状腺は腫れずに、病気が進んでいる場合もありますので、注意が必要です。

 甲状腺機能低下症は、飲み薬で治療が可能です。甲状腺ホルモン剤と呼ばれる薬でホルモンの不足を補います。副作用はほとんどなく、子どもや妊娠中の方でも、安心して服用することができます。

 海藻類、特に昆布類には、多量のヨードが含まれており、摂り過ぎると、甲状腺機能が低下してしまう恐れがあります。橋本病や、甲状腺ホルモン剤を飲んでいる方は、注意が必要です。

 甲状腺の病気は、女性に多く、妊娠に影響することがあります。最近では、甲状腺機能のわずかな低下でも、不妊や流産の原因になると言われています。不妊、もしくは、妊娠が分かった時には、一度、甲状腺ホルモンを調べてみることをおすすめします。

2022年 2022年 2021年 2020年 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年 2007年 2006年 2005年
※健康情報テレホンサービス内検索です。