兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2016年9月

【木曜】 帯状疱疹後神経痛

 80才まで生きたら、およそ3分の1がかかると言われる帯状疱疹。高齢者に多く、70-80%は50才以上に発症します。皇后様も雅子様も帯状疱疹になられたように、誰もがなる可能性のある病気です。

 帯状疱疹は、水疱瘡と同じヘルペスウイルスが原因となります。幼少期にかかった水疱瘡(みずぼうそう)が治った後も、ウイルスは身体の神経節に何十年も生き続けます。過労や加齢、病気などで体の免疫力が落ちたときに再びウイルスは増えて活動を開始、神経と皮膚を傷つけながら帯状疱疹を発症します。

 帯状疱疹は、強い痛みと、痛みがある部分にできる赤いブツブツ、水ぶくれが特徴的な病気です

 治療には、特効薬である抗ウイルス薬が使用されます。但し、発症して1週間ほどで服用しなければ効果がありません。痛みに対しては、痛み止めの飲み薬も使用されますが、眠れないほどの強い痛みには注射による神経ブロックが必要になります。

 帯状疱疹の皮膚症状が治った後も、痛みだけが長期間にわたり残ることがあります。これを帯状疱疹後神経痛といいます。これは、帯状疱疹ウイルスによって、神経にキズ痕が残ってしまったために起こる合併症で、こじらせると激しい神経痛が残り、一生涯苦しむことになります。

 帯状疱疹後神経痛は高齢の方や、皮膚の症状が重い場合に残りやすいといわれています。帯状疱疹後神経痛を残さないためには、痛みを我慢せず、できるだけ早く痛みの治療を始めることが大切です。

 痛みが強い場合は、ペインクリニック専門医による神経ブロック治療を受けることをおすすめします。出来るだけ早期に、出来れば発症後2週間以内、遅くとも1ヶ月以内に、神経ブロック治療を行うと帯状疱疹後神経痛になるのを防止できる事が多いようです。

 帯状疱疹かなと思ったら、躊躇せずに一刻も早く皮膚科を受診しましょう。帯状疱疹は、どれだけ早く医者に駆けつけるかで治り方が変わってくる病気なのです。また最近、保険はききませんがみずぼうそうワクチンを接種すると、帯状疱疹にかかりにくいと言われています。50才を過ぎたら、帯状疱疹の予防のため、みずぼうそうワクチンの接種をかかりつけ医と相談するのも良いでしょう。

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