兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2016年11月

【水曜】 美容脱毛とわきがの治療  

 まず美容脱毛のお話です。一般に言われる永久脱毛とは、永久に毛が生えないということではなく、「脱毛処置から1カ月経って毛の再生が20%以下の状態」を言います。毛穴は皮膚の脂を分泌したり、ヤケドやキズの皮膚の再生などに必要なものです。美容脱毛は、黒いムダ毛が目立たないうぶ毛になれば終了です。いくつかの脱毛方法がありますが、近頃はレーザー脱毛が主流となってきました。皮膚の外側からレーザー光線を当ててムダ毛の根元を焼きます。毛は再生しますから1回で終わりません。例えばワキならば1、2カ月おきに通常5回位の処置が必要です。またカメラのフラッシュを強くしたような光線を使う方法もあります。これは医療機関のほかにいくつかの美容サロンなどでも使われている方法です。いずれの方法も、毛穴のヤケドなどの副作用を起こすことがあります。

 美容脱毛は健康保険が利きません。ですから料金や使用する機械も様々です。十分に検討してください。

 次に、わきがです。汗は通常、細胞から汗の成分だけが分泌されます。ワキの汗は少し違い、水のたまった風船のように細胞膜に包まれたまま分泌されます。分泌されて壊れた細胞膜が、細菌と反応して臭いが出てくるのです。ですからワキではある程度の臭いは全く正常なのです。気になる方でもワキを清潔に保つことでかなり改善されます。市販のデオドラント製品を使われても良いでしょう。くれぐれも、かぶれないかどうかチェックしてからお使いください。

 どうしても臭いが強くてわきがの手術治療を考える方もおられます。手術方法はいくつかあり、健康保険の効く手術法もあります。いずれも効果が100%というわけではありません。手術後の安静やキズ跡を考えると、手術は最終手段と考えてください。また、新しい方法としてボツリヌス菌の毒素をワキに注射する方法もあります。毒素の働きで汗を出す自律神経を麻痺させるのです。効果は数カ月続きます。ただし、長期的な副作用は現在のところ不明です。まずは、かかりつけの医師に相談し専門の皮膚科や形成外科を紹介してもらってください。

 

 

     

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