兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2017年1月

【月曜】 高齢者肥満に対する減量のすすめ

 2006年から特定健診・特定保健指導が始まり、内臓脂肪の蓄積やメタボリック・シンドロームが、様々な病気のリスクを高めることが知られてきました。また、肥満は運動機能低下であるロコモティブシンドローム(運動器症候群)にも悪影響を与えます。最近の国民健康・栄養調査によると、特に男性の60歳以上で近年、肥満が増加傾向です。

 高齢で肥満の方の食生活の特徴としては、「先が長くないので、好きな物を好きなだけ食べたい」とか、「身体に良いといわれるものを増やして、食べ過ぎになっている」「暇つぶしに間食に走ってしまう」「自分ひとりなので、食事を作らず、お茶漬け・菓子パン・麺など、炭水化物だけの食事が多い」「膝や腰の痛みのため、動くことがおっくうになっている」などというようなことが挙げられます。あなたはこれらに当てはまりませんか。

 まずは自分の適性体重を知り、減量が必要な人は生活習慣を見直してみましょう。太っているか、やせているかといった肥満度を表す指標として用いられるBMIは、体重÷身長の2乗で計算できます。日本肥満学会は、BMIが25以上の場合を肥満と定めています。

食事では、ご飯・パン・麺類などの炭水化物を控えめにして、魚や赤身の肉・豆腐製品などのタンパク質をしっかり摂りましょう。

 炭水化物の摂取割合は、1日に食べる量の1/3程度、ご飯でしたら中盛り2杯程度を目安にしてください。

パンに塗るバターやジャム、サラダに使うオイル入りドレッシングなどは控えめにして、余分なカロリーや脂肪を摂りすぎないようにしましょう。また、糖分の多い飲み物を避け、水分補給は水やお茶にするなど、毎日の食習慣を変えることが重要です。

 さらに運動する習慣のない人は、ウォーキングを毎日30分~1時間程度、始めてみてはいかがでしょうか。ストレッチや軽いダンベル等を使った筋力トレーニングも、毎日15分程度、あわせて行いましょう。

 高齢者は薬を多く飲んでいる人も多いのですが、食事や運動習慣を見直すことで、薬や注射に頼らずに、生活習慣病や肥満の予防に努めていきたいものですね。本人のやる気と適切な方法によって、健康的な減量は十分可能です。

     

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