兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2017年3月

【月曜】 育てにくさを感じる場合

 子育てにおいて、ご両親が「育てにくさ」を感じる場合、発達障碍の可能性もあります。

 よく「視線が合わない」ということを言われます。これはどういうことでしょうか?これはご両親や他の人との経験を共有することが苦手ということです。たとえば、小さい子どもに「イナイイナイバァー」をしたときに、それに対して赤ちゃんが声を出して喜んでくれるような関係が苦手なのです。自己を認識することや自己コントロールすることが苦手で、色々と創造して問題を解決することや過去の楽しかった出来事の記憶を共有することが苦手です。

 発達障碍という名前がついていますけれども、その中には、自閉傾向が強い「自閉症スペクトラム障碍(ASD)」、学習や協調することが困難な「学習障碍(LD)」、落ち着きが無い場合の「注意欠陥・多動障碍(ADHD)」があります。多くの場合どれか一つに当てはまるのではなく、いろいろな障碍を併せ持っているものです。さまざまな検査をして、診断名をつけることは、保険診療や診断書や療育手帳や障碍者手帳などの申請には必要ですが、本人にとってあまり役に立たないかもしれません。

 切れ目なく発達障碍者の支援を行うことが特に重要であることや障害者基本法の基本的な理念に基づくことを決めた発達障碍者支援法が2016年5月に改正されました。ただ、法律的には進歩したわけですが、実際に子育てをするご両親にはまだまだ十分ではありません。「障碍」ととらえるより、「その子の特徴」と考えて、社会で楽しく個々の能力を発揮できるようにしていくことが大切です。応用行動分析(ABA)という「できたら褒める」という手法もアメリカでは広く認められています。最近ではRDI(対人関係発達指導法)という新しい手法も日本で紹介されています。ご両親が「育てにくさ」を感じる場合、発達に関しての相談をしてくださるお近くの小児科や精神科の専門医などで相談してみましょう。

 最後に今日は、育てにくさを感じるお子様をお持ちのご両親に役に立つかもしれない本を2冊ご紹介したいと思います。明和書店から出ている「読んで学べるADHDのペアレントトレーニング」、もう一冊は学苑社が出している「14歳からの発達障害サバイバルブック」です。

 親御様一人で悩むのではなく、学校と家庭が協力・連携して、本当に困っている子どもたちの教育や生活の支援を継続的にしていくようにしましょう。

 

 

     

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