兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2017年5月

【木曜】耳鳴りでお悩みの方へ

 耳鳴りとは、まわりで音がしてないのに耳の中や頭の中でキーンとかジーンとかいう音がきこえる状態を言います。すぐに消えてしまったり、くり返し鳴ったり気になる程度は様々です。
 
 耳鳴りはふつう難聴を伴いますが、精神的なストレスも影響します。阪神大震災の時は不安のために難聴のない耳鳴りの方が多くみられました。からだとこころの両方の因子が働くうえに天候や気圧も耳鳴りと関連することがあり、感じる耳鳴り音の種類が大事です。
 
 なぜ耳鳴りはおこるのでしょうか。耳や脳の神経が興奮状態になると、音の刺激がないのに聴こえの神経のスイッチがまちがって入ってしまい、耳や脳で音が鳴っているように聞こえてしまうのです。耳鳴り音の高さと大きさを測る耳鳴り検査、聴力検査、レントゲン検査、CTやMRI検査、内耳の機能検査などから原因をつきとめます。
 
 どのような病気が耳鳴りをおこすのでしょうか。耳あかや耳の中に入った髪の毛などの異物、耳と鼻をつなぐ耳管や耳の周りの血管の異常、中耳炎などの病気、大音量の音楽や音をきいた後の内耳の音響外傷、メニエール病や突発性難聴、内耳道や脳の腫瘍、脳出血、脳梗塞などが原因になります。全身的なものでは貧血、糖尿病、血圧の異常、甲状腺の病気、うつ状態、首や肩の凝りも関係することがあります。
 
 治療は循環改善薬やビタミン剤の他、漢方薬、抗うつ薬や抗けいれん薬などの飲み薬による治療、耳鳴りを打ち消す音や音楽を聞く治療、また補聴器とカウンセリングを組み合わせた治療、神経ブロックや鍼、耳栓で楽になる治療法もあります。どうしても止まない耳鳴りに対しては鼓膜の奥に薬を注入する治療法もあります。精神的な要素が強い場合は自律訓練法や心理療法を用いることがあります。
 
 大切なことはどんな時にどのような耳鳴りがおきて、睡眠や毎日の生活にどのくらい困っているかということをきちんと医師に伝えることです。
 
 耳鳴りが全て病気ではありません。耳鳴りが単なる老化現象で生活に支障がなければそのまま様子をみてもいいのですが、重大な病気の前ぶれのこともあります。気になる方は一度、耳鼻科で診察と検査を受けてみることが安心につながります。

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