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健康情報テレホンサービス

2017年7月

【木曜】睡眠時無呼吸症候群に要注意!

 十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず、睡眠の満足感がなかったり、日中に強い眠気に襲われることはありませんか?それは睡眠時無呼吸症候群かもしれません。
 睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に舌の根本が喉の奥に沈むことによって気道が塞がれ、「無呼吸」や「低呼吸」を繰り返すことにより低酸素状態が続き、睡眠の質が低下し、日中の強い眠気や疲労感を伴う病気です。疲労感や倦怠感などが続いているのに、多忙によるものと誤解され、睡眠時無呼吸症候群が見過ごされていることも少なくありません。さらに、睡眠時に毎回低酸素状態が続くと、交感神経が活発になり、血管や心臓に大きな負担がかかります。そのため、高血圧や不整脈、狭心症や心筋梗塞などの心臓疾患、脳卒中などを引き起こしやすくなります。
 日本では、睡眠時無呼吸症候群を発症している人は、200万人以上いると推定されています。ところが、自覚症状が少ないため、実際に適切な検査や治療をしている人はその1割程度と、氷山の一角なのです。発症原因として最も深く関係しているのは肥満です。肥満があると、喉の周辺に脂肪がついて気道を狭めるため、無呼吸を引き起こしやすくなります。女性は男性よりも発症が少ないといわれていますが、女性ホルモンが急激に減少する閉経後は、増加することが指摘されています。
 問診などで睡眠時無呼吸症候群が強く疑われる場合は、簡単な検査によるスクリーニングが行われます。必要に応じてくわしい検査によって、診断や治療法が確定されます。
 代表的な治療法として、CPAP(シーパップ)療法があります。CPAP(シーパップ)療法とは、睡眠中にマスクを介して鼻から空気を送り、上気道に陽圧をかけることで気道を押し広げ、無呼吸を防ぐ治療法です。導入後、『朝の目覚めがすっきりしました』『これが本当の熟睡なのですね』などの意見をうかがうこともしばしばです。さらに心臓疾患の予防にもなります。
 最近はインターネットなどで簡単に睡眠時無呼吸症候群の診療を行っている医療機関を探すことができますので、日中に強い眠気のある方や、下がりにくい高血圧のある方などは一度、受診することをお勧めします。
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