兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2018年4月

【木曜】アトピー性皮膚炎の治療

 アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりという状態を繰り返す慢性の、痒みを伴う湿疹です。患者さんの多くは、いわゆるアトピー素因を持っています。
 アトピー素因というのは、①自分自身や家族に気管支喘息やアレルギー性鼻炎、結膜炎あるいはアトピー性皮膚炎がある、あるいは②血液検査で、IgEというアレルギーを示す抗体を持っている人です。
 人は、皮膚の一番上にある角層によって、様々な物質が入ってこないように守られています。その角層は水分や皮膚から出る脂肪などによって、瓦が敷き詰められたような構造をしています。アトピー性皮膚炎の人は皮膚が乾燥していることが多く、そのために角層に含まれる水分が失われて、瓦の構造に隙間ができ、いろいろな刺激が皮膚に入り込んで、アレルギー反応が起こってきます。いわゆるバリア機能が崩れた状態になっています。
 これを防ぐにはまずスキンケアが大切です。入浴、シャワーをしっかりとして、刺激の少ない石鹸で軽く洗ってください。それに加えて、使用感の良い保湿剤を選んで1日2回、たっぷり塗るようにしてください。このようにアトピー性皮膚炎は体の中からの原因と、外から入ってくる原因とがあり、根本的に治す治療はありません。先ずは保湿をきちんと施し、皮膚炎があれば、塗り薬で治療します。
 基本的にはステロイド軟膏を、皮膚がしっとりする位の量を1日に2回塗ってください。紅い所や痒みがなくなるまで、塗ってください。良くなっても、すぐに止めるのではなく、例えば2日に1回とか、1週間に1~2回塗って、予防することが必要です。もちろん保湿剤を続けることも必要です。こういう塗り方は、ステロイド軟膏の副作用を防ぐためにも必要です。また特に顔に関しては、タクロリムスというステロイド以外の軟膏を使うこともあります。
 こういう薬を塗っても、どうしても治らない人には、ある一定の波長の紫外線をあてる方法や、シクロスポリンという免疫を抑える飲み薬があります。最近では筋肉への注射の薬も、保険で受けられるようになりました。
 ただ、アトピー性皮膚炎は、年齢とともに皮膚の症状が軽くなって行くことも分かっています。今はインターネットの普及により、様々な情報が飛び交っています。その情報に決して、惑わされないでください。皮膚の症状は人それぞれです。皮膚の状態によって、治療方法も変わってきます。まずは皮膚科専門医にご相談されることをお勧めします。
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