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2019年8月

【金土日】アルツハイマー型認知症の新しい治療薬

 認知症は65歳以上の高齢者に多く、疑いのあるものも含めると、実に高齢者の10人に1人は認知症であるともいえます。認知症は、大きく「アルツハイマー型」「レビー小体型」「脳血管型」などに分けられます。ここでは、「アルツハイマー型」認知症の薬について解説します。
 現在、認知症の約6割をアルツハイマー型認知症が占めているといわれています。これは、大脳皮質の神経細胞が失われることで発症します。そのため、今日の日付が分からなくなったり、自分がいる場所が分からなくなったりする等の症状が出ます。
アルツハイマー型認知症では、脳内の神経に情報を伝える「アセチルコリン」という物質の減少が関係していることが分かっています。1999年にこの物質の濃度を高める働きのある「ドネペジル」という飲み薬が製造承認されました。この薬は、脳内のアセチルコリンの減少を改善することで効果を発揮します。
 その後10数年間、認知症の新薬は出ませんでしたが、2011年に「ガランタミン」と「メマンチン」という薬が承認されました。それぞれの効果と用法は次の通りです。
まず「ガランタミン」という薬は、軽度~中等度のアルツハイマー型認知症に使います。この薬は「ドネペジル」と同様の作用に加えて、これまでにない作用によって、より多くの脳内のアセチルコリンの濃度を高める働きがあります。この二つの作用によって、脳内の神経に情報を伝える効率が高まって、認知機能が長く維持できることが報告されています。加えて認知症の方のイライラ感を抑え、自発性を高めるとの報告があります。
 もう一つの「メマンチン」は、中等度~高度のアルツハイマー型認知症に適応を持っていますので、少し症状が進んだ方に使います。この薬は全く新しい作用を持っています。具体的には、特定の部分に選択的に働くことで、認知症の症状の進行を抑える効果があると報告されています。
 「ドネペジル」や「ガランタミン」と、「メマンチン」を組み合わせて使用すれば、認知症の抑制に更なる効果が期待できると考えられています。飲み薬を飲めない方には、リバスチグミンという貼り薬もあります。
 認知症が疑わしい場合は、早めに医療機関を受診してください。
 

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