兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2019年11月

【金土日】心気症(身体表現性障害)

この病気は不安、緊張、恐怖といった症状が目立った状態となり、常に「自分が大変な身体的病気にかかっているのでは」と考えてしまい、多くの診療科を受診することになります。この病気は別名「疾病恐怖症」とも呼ばれています。そして心療内科、精神科を受診するようになります。この病気は不安な気分に陥りやすい中高年の女性に多いようです。常に体の些細な変調に気を取られて、痛みを中心とした不調を訴えます。例えば、胃の不快感が続くので胃がんではないか?と心配したり、手先がしびれる、頭痛が多い、口の中が痛い、など全身の痛みを中心とした苦痛を訴え続けます。さらに、「自分は死ぬかもしれない重篤な癌などの病気にかかっているのではないか?」と考えてしまいます。

そこで内科、耳鼻咽喉科、脳神経外科、整形外科、ペインクリニック、口腔外科など多くの診療科を受診するのです。しかしそこでは「特に問題はありません」といわれるばかりです。しかし本人は納得できず、不安、恐怖の中に埋没してしまいます。多くの先生方の検査、診察結果の説明を聞いても、本人は安心できないのです。多くの科の先生方により心療内科、精神科の受診を勧められます。

心療内科では、本人の訴えを十分に聞いた上で、「これはあなたが体の症状に囚われすぎた結果です。自分の体のことばかりに集中しないで、他の楽しいことを考えることで、色々な身体症状を一時無視しましょう。」と精神科医は本人の思考パターンを変えようと試みますが、多くの場合本人はどうしてもそのジレンマから抜け出せません。本人は「私の病気は治らないのか?多くの先生に見てもらったが全て異常なし、と言われている。どうすればいいのか?」とますます病気に対する恐怖心、不安感をつのらせます。その結果、心療内科、精神科で長年にわたって対応することになるのです。

本人の過度の病気へのこだわりを軽くして、本人の興味あることに注意を向けるよう指導するしか無いのです。家族も長年のことなので、もううんざりしていても、少しでも本人の不安を和らげるよう接してあげることが大切です。精神科医にとっても難しいケースが多いので、森田療法で言うところの「あるがまま」の精神で患者とともに歩んでいくしか無いでしょう。「あるがまま」とは、現状をそのまま受け入れていくことです。

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