兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

健康情報テレホンサービス

2020年1月

【木曜】脂肪肝の話

糖質や脂肪が多く野菜の少ない食生活や、運動不足という生活習慣の変化から、肥満傾向になる人が増えています。

必要以上に摂取したエネルギーは中性脂肪になって、皮下脂肪や内臓脂肪として貯留します。

肥満があると、高血圧や脂質異常、糖尿病も合併しやすくなります。内臓脂肪が増え、さらに高血圧や脂質異常、糖尿病があると、動脈硬化が進み、脳や心臓や足の血管が詰まってしまう病気や、慢性腎臓病にかかりやすくなります。

肝臓が脂肪を取り込むと、フォアグラのような「脂肪肝」という状態になります。超音波検査で診ると、腎臓に比べて白くキラキラして見えます。

中性脂肪が蓄積されて細胞が膨張すると、肝臓内の血液循環が障害を起こして細胞の代謝に悪影響を与えます。

お酒を多く飲む人は、アルコール性脂肪肝になりやすいですが、お酒を飲まなくても、カロリー摂取が過剰になると脂肪肝の原因になります。急激なダイエットを繰り返しても、脂肪肝になりやすいです。さらに、甲状腺や副腎といった内分泌疾患に合併して脂肪肝が起こることもあります。

肝臓が悪いというと、ウイルス性やアルコール性を思い浮かべ、脂肪肝はあまり進行した病気で無いという印象を持ちがちです。しかし、アルコールをほとんど飲まないけれど生活習慣病のある方では、脂肪肝の10%が肝硬変や肝がんに進行するものがある、ということも判ってきました。これらは「非アルコール性脂肪性肝炎」と呼ばれています。

脂肪肝の治療では、生活習慣の改善が大きなポイントになりますし、普段から食事や運動に注意することで脂肪肝の予防もできます。

食事療法は、カロリー制限が基本です。脂肪も20%以下、砂糖や菓子類もできるだけ摂らないように心がけましょう。運動療法は散歩やジョギング、自転車、水泳などを1日10~30分、1週間に3~5回をめどに行いましょう。

肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、病気の初期から中期程度では症状がなく、症状が出た時には肝硬変や肝がんにまで進行して、治療が困難になることもあります。特に、非アルコール性脂肪性肝炎の診断は難しいため、専門医の受診が必要になります。健診等で、肝機能の検査や生活習慣病関連の検査に異常が出ている場合には、かかりつけ医や消化器専門医で、ぜひ精密検査を受けましょう。

 

2019年 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年 2007年 2006年 2005年
※健康情報テレホンサービス内検索です。