兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2020年3月

【金曜】線維筋痛症

線維筋痛症は、原因不明の全身の筋肉痛や関節の痛み、及び不眠・うつ病などの精神神経症状を起こす病気です。これに伴う症状には過敏性腸症候群、過活動膀胱、ドライアイ、ドライマウスなどがあります。

近年、世界的に増加しつつあることが指摘され、わが国では全人口の約1.7%、約200万人の患者が存在すると推定されています。この病気は、あらゆる年齢層にみられますが、約80%が女性で、特に30~50歳代の、いわゆる働き盛りの女性に多く起こります。

激しい持続性の疼痛によって日常生活も甚だしく制限されてしまうため、社会的に大きな問題となっています。また小児では、不登校の児童・生徒の中にもこの病気が存在するとも考えられています。

線維筋痛症が起こる原因は不明ですが、現在は、「セロトニン」という神経伝達物質との関連が推測されています。

この病気の診断は、一般的には、①3ヵ月以上持続する疼痛、②首や背中から膝までの左右18ヵ所の圧痛点の中で、指を用いた圧迫で強い痛みを感じた部位が11ヵ所以上あるかどうかを検査する、という基準を用います※。

線維筋痛症と明確に区別すべき病気には、膠原病、すなわち強直性脊椎炎、関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、強皮症、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群や、慢性疲労症候群などがあります。しかしこれらは血液検査などで除外することが容易にできます。

線維筋痛症の治療は、原因が不明であるため確実なものはありません。通常は抗うつ薬や鎮痛剤などを、単独または数種類を組み合わせて使用します。

疼痛治療薬のプレガバリンと抗うつ剤のデュロキセチンは、線維筋痛症の治療薬として医療保険が使えます。ある種の疼痛治療剤は、理由がはっきりしませんが、飲み薬より注射の方が有効であることが知られています。ムズムズ脚症候群に用いられる、ロチゴチンもよく使われます。

以上のように、線維筋痛症はきわめて多彩かつ複雑な病態を示すために、リウマチ専門医、整形外科医、精神科医との協力によって診断と治療を行う必要があります。

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