兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2020年7月

【火曜】 アンチドーピングについて

 ドーピングとは、競技能力を高める為に薬物などを使用する事です。これは、フェアプレーの精神に反してスポーツの価値を脅かす行為であるとともに、アスリートの健康を害する行為で絶対に許されない行為です。一方、故意にこのような薬物を使用した訳でなく、不注意、うっかりミスで検査にひっかかる場合もあります。このような「うっかりドーピング」にも、十分気を付けなければいけません。本人だけではなく、トレーナー、指導者、保護者、サポーターなど関係者すべてが、「アンチドーピング」に関しての、認識を深める必要があります。

 ドーピングの「国際基準禁止物質と方法」は、世界アンチ・ドーピング機構(WADA(ワダ))の「国際基準表」に定められています。この禁止表には、「筋力の強化、筋肉量増加を促す作用のあるタンパク同化薬」、「ベーター2刺激薬」、「体内の禁止薬物濃度をさげる作用のある利尿薬」、「ある種の興奮薬」をはじめ、様々な「禁止薬物と方法」が細かく分類されています。
 禁止薬物には、病院で医師から処方される医療用医薬品、薬局、ドラッグストア等で購入できる市販薬や、特に海外製品のサプリメントにも含まれていることがあり、注意が必要です。
 代表的なものを紹介します。
 最初に、薬局やドラッグストア、ネットで購入可能な総合感冒薬には注意が必要です。禁止物質であるエフェドリン、メチルエフェドリン、プソイドエフェドリン、麻黄(マオウ)などの禁止物質が記載されていないかをよく見て下さい。また、鼻炎の薬にもかぜ薬と同じエフェドリンが入っていることがありますので、注意が必要です。
 漢方薬の中にも、マオウ、ホミカ、ストリキニーネなど、禁止物質を含むものがあります。葛根湯にもマオウが含まれているので、注意が必要です。
 最近、ドーピング違反事例で増えているのがサプリメントに起因するものです。特に、外国製のサプリメントには、表示成分以外のドーピング禁止物質が混入していることもあります。
 医療機関を受診する時は「ドーピング検査を受ける可能性のあるアスリートなので、禁止物質を含まない薬を処方して欲しい」と医師に伝えて下さい。また、自分が服用している薬を医師に伝えるためのツールである「お薬手帳」を、持参すると良いでしょう。
 薬、健康食品等、ドーピング関連の関しての疑問があれば、医師、薬剤師に相談して下さい。うっかりドーピング防止にしっかり向き合っていきましょう。

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