兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

健康情報テレホンサービス

2020年8月

【火曜】 診療報酬改定で何が変わったか

 診療報酬とは、全国の保険医療機関で受けられる、国が定めた保険診療の範囲で、公定価格が医療行為ごとに点数1点あたり10円で設定されています。医師・歯科医師の単なる収入と誤解されがちですが、実際には、医療機関で働く看護師・薬剤師・事務スタッフなど医療スタッフの人件費をはじめ、お薬・医療設備・検査などの費用が大半を占めます。保険診療の対象となる医療が広がり、点数が適切に引き上げられれば、国民が受けられる医療の質と量が増えることになります。
 今年4月の診療報酬改定は、全体でマイナス0.46%、医療費にして約1900億円の削減となりました。改定の特徴を3点お話します。
 一つは、オンライン診療について、対象となる病気が拡大されるなど要件が緩和されたことです。オンライン診療は、パソコンやスマートホン、タブレットを用いて、患者さんが自宅から医師の診察を受けることができる仕組みです。オンライン診療が拡大されると、一面では、患者さんは自宅で受診することが容易になりますが、一方で医師は患者さんを対面で診察することができないため、症状の改善や悪化の判断が難しくなり、ひいては重大な疾患の見逃しにつながる恐れもあります。そのため保険医協会は、拙速なオンライン診療の拡大はすべきではないと考えています。
 次に、紹介状を持たずに受診した際、追加負担金を支払う必要のある病院が拡大されました。これにより、追加負担金を支払うことが困難な患者さんにとっては、これまでより受診しにくくなっています。保険医協会は、患者さんが必要に応じて自由に医療機関へかかることができるフリーアクセスを制限することには、反対しています。
 最後に、患者さんに提供する医療の質と量を決める上で、最も基本的な土台となる初診料・再診料は、今回も引き上げられませんでした。昨年10月に消費税が10%に引き上げられた上、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、医療機関の経営は大変逼迫しています。初診料・再診料が引き上げられないままでは、医療機関の経営はいっそう厳しくなり、適切な医療を提供できなくなる恐れもあります。
 兵庫県保険医協会では、いつでも、どこでも、誰でも必要な医療を安心して受けられるように、診療報酬の適切な引き上げや患者さんの窓口負担軽減など、医療改善のための取り組みを患者さんと共に進めています。医療機関窓口での署名などに、ぜひご協力ください。

2019年 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年 2007年 2006年 2005年
※健康情報テレホンサービス内検索です。