兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2020年11月

【月曜】 なかなか歩かない子ども

 赤ちゃんの首がすわり、寝返りをし、ハイハイして、つかまり立ち、伝い歩きからやがて歩き出すという運動の発達には、一連の流れがあります。そして、運動の発達には個人差があり、例えば、ハイハイをしないままつかまり立ちを始める子もいます。発達のスピードも一人一人で違いますが、日本人の場合、1歳で約70%、1歳3ヵ月で約90%、1歳6ヵ月で95%以上の子どもが歩き始めますので、遅くとも1歳6ヵ月で歩かない場合は、小児科を受診する必要があるでしょう。

 それ以前の段階でも、生後5ヵ月で首がすわらない、1歳でおすわりができないなどの発達の遅れがあったり、未熟児や出生時に仮死、重い黄疸などの問題があった場合、あるいは周囲の物事への関心や言葉の発達など精神的な面で気になる点がある場合なども、早めに小児科医に相談されることをおすすめします。

 診察にあたっては、首のすわりや、ハイハイ、つかまり立ちなどの経過を尋ねます。また、運動の発達の状態やご両親・兄弟姉妹の発達経過も参考にします。

 歩行の遅れには、いろいろな原因があります。よくみられるものに、ハイハイをせず、すわったまま腰をゆすって移動する時期を経て歩き始める子があります。体がやわらかい子が多く、知能の発達は正常で、ふつうは1歳半から2歳ごろに歩き始め、その後の発達は正常です。しかし、運動の発達の遅れは、脳性麻痺や筋ジストロフィー症などのほか、脳から脊髄、神経、筋肉、消化器系の病気など体の様々な場所の障害により起こることもあります。

 他の子どもと比べて多少運動の発達が遅れているからといって、落ち込む必要はありませんが、これらを参考にして気になる点があれば、早めに小児科医による診察を受けるようにしましょう。

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